2012/11/2 miel mielのHidden Story

今週は、パンケーキ・ショップ『miel miel』が行う被災地支援プロジェクトのHidden Story。

地下鉄、外苑前の駅を出て、青山通りを表参道のほうへ少し。
外苑西通りを左に折れて、坂を少し下っていったところ。
道路の右手に、そのお店はあります。
主にパンケーキを手がける、miel miel。
» miel miel

実は、このパンケーキ・ショップが誕生したきっかけは、東日本大震災でした。
店長の青松秀樹さんにお話をうかがいました。

東北の大震災があった2〜3日後に、会社の車で物資を持って炊き出しに行ったんですね。そのときに、会社のケータリングカーがあって、クレープが焼ける車があったんで、それも一緒に持って行って、炊き出しの後にクレープを子どもたちに振る舞っていたんですけど、子どもたちも下手ながらにトッピングとか、あと大人達に配ってくれたりとか、結構手伝ってくれてたんですね。すごく笑って手伝ってくれてたんで、それを見た大人たちも笑顔になってくれて、「こういう笑顔をたやしちゃいけないな」と。

で、青山のほうで、クレープとは違うんですけど、パンケーキ屋さんを始めまして。

震災直後、大変な状況の被災地で配ったクレープは、特に子どもたちに大人気でした。
このとき感じたことが、miel mielの原点です。

いらっしゃいませ。こちらがパンケーキのメニューですね。
上からデザート用のパンケーキですね、ミエルミエル・パンケーキ、ベリーベリー、チョコバナナ、あと下の方にいくと食事用のパンケーキがあります。
通常、うちは3枚でご提供しているんですけども、最初に2枚お出しいたします。
そして、3枚目をオーダーされるときに、今日おなかがいっぱいでもう満足、ということであれば、1枚を寄付していただく、という形をとれますので。

通常3枚のパンケーキで構成されるメニューのうち、最初に2枚を提供。
「1人前3枚のパンケーキのうち、最後に提供される1枚分をそのままいただくのか、寄付するのか選べる」というシステム。
寄付された分は、東北でパンケーキ教室を実現するために使われます。

小学校の家庭科室を借りて、子どもたちと一緒に、生地づくりから始めてもいいと思うんですけど、トッピングの仕方とか、焼き方とか、一緒にできればいいなと思っています。あの、僕らの夢でもあるんですけど、そのパンケーキ教室で教えた子どもたちが将来カフェで働きたいとか、パンケーキショップで働きたいとか、という風に思ってくれたら嬉しいなと思いますね。

お店でパンケーキを焼く、岩崎大武さんは、このプロジェクトに、こんな感想を持っています。

岩崎さん: ま、でも、そういうことをしている会社に入ったことで、支援もできるし、モチベーションも上がります。
しかも、自分が好きなもので提供できるので、僕はパンケーキをずっと作ってきていたので、自分で作ったパンケーキで寄付できたり、支援できたりというのは嬉しいですよね。「自分の作ったもの」というのがあるんで。

D: 東北に行かれたりしてるんですか?

岩崎さん: 僕はまだ経験していないんですけど、今度の3月にパンケーキ教室を開くために行く予定があります。

D: お客さんからこのプロジェクトに声が寄せられていますか?

岩崎さん: 「自分の好きなものを食べて寄付できる」というお声は、たまに聞くことがあるんで、それを聞くとやっぱりちょっと嬉しいですよね。

最後に、店長、青松秀樹さんの言葉です。

今ではテレビとか新聞とかでも取り上げられることが少なくなってきているんで、いろいろやってる方もいらっしゃるんですけど、僕らもずっと継続的に支援できればなと思って、お店を出してますね。

ま、僕らのお店で支援をしていただかなくても、そういうことをやっているお店とか、そういうことを考えている人がいる、ということをみなさんに知ってもらえれば、他のところでも支援という形につながっていくんじゃないかなと思っているんで、そういう考えをみんなに共有してもらえればなという風に考えてます。

「たとえ、お店で寄付してもらわなくても、支援する気持ちが 広がればいい」。
パンケーキがふっくらとふくらんでいたのは、そんな想いが詰まっていたからなのかもしれません。