南米パラグアイの首都アスンシオンの郊外。
農場の牧草地を高台から眺めて、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。軽い朝食にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
国土の面積が日本より少し広い程度の40万㎢のパラグアイ。
人口は657万人と少なく、首都アスンシオンでも50万人あまり。主要産業は広い土地を活かした大豆を中心とする農業と牧畜業。移住した日本人と日系人はおよそ7,000人。土地開発から技術指導まで、現地の人々といい関係にあります。その中でも鶏の卵の農場経営で成功を収めた日本人が、なんとアスンシオン郊外にある自分の土地に「お城」を建てました。江戸時代の城の特徴を研究し、図面を元に基本設計を自ら行い長い歳月をかけて土台の石垣から少しずつ作り上げたもの。日本からも専門の職人を呼んで、高さ17メートルという本格的な天守閣を作り上げたのです。
パラグアイは畜産が盛んで、人口よりも牛が多いほどの国、なので安くておいしい肉食がメインです。しかし朝のもっともポピュラーで簡単な食べものといえば、とうもろこしから作った「チパ・グアス」。朝だけでなくスナックとして食べることもあります。生トウモロコシの実の部分を、フードプロセッサーなどで少し粗めにくだいて塩で下味をつけます。それにトウモロコシの粉と、飴色になるまで炒めたタマネギ、そして溶けるチーズをまぜて、オーブンで焼いたら出来上がり。この「チパ・グアス」は、塩味が利いていて、つぶつぶの食感と焦げたチーズの香りがあとを引くおいしさ。つくり過ぎたとしても、すぐになくなります。まずはマテ茶と一緒にどうぞ。
甘くて美味しいトウモロコシですが、この塩味の「チパ・グアス」には甘味がない種類のトウモロコシを使います。
生トウモロコシがないシーズンにはコーンミールという、トウモロコシの粉だけで作ることもあるようです。