広島県廿日市市宮島町。フェリーの中から海の中にそびえ立つ厳島神社の鳥居を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。駅のお弁当の朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
今朝は日本三景のひとつ、広島県の宮島です!
平清盛が今の立派な様式の建物を築いたとして知られ、世界文化遺産にも登録されている厳島神社。
朱色の大鳥居と、寝殿造りの壮大な木造建築は、平家の絶大な力の象徴ともいえるでしょう。
干潮の時間には、鳥居のある沖合いまで潮が引き、歩いていけるほどですが、満潮になると神社全体が海の上に浮かびます。
もともと島全体が神の島として崇められていて、陸地部分に建物を建てるのが恐れ多い、というのがその理由。神聖な動物とされた野生の鹿が、訪れる人々を意に介さずに、我がもの顔で島の中を歩き回っている、というのも神々しい島ならではの風景、といえるかも知れません。
人口2,000人足らずの島ですが、厳島神社の人気は高く、世界中から年間300万人以上の観光客がやってきます。
宮島の名物は牡蠣と穴子です
牡蠣の養殖でも知られる宮島には、たくさんの牡蠣料理の専門店が軒を連ねています。
そして穴子の産地としてもまた有名で、朝から売っているお弁当は「あなごめし」です。
南西諸島周辺で産卵を終えたアナゴは、黒潮に乗って全国各地の沿岸部の磯へと向かいます。穏やかで豊かな栄養分たっぷりの瀬戸内海の海水。そこにいる餌をたっぷり食べるために姿を表すのがちょうど3月から4月、今ごろのシーズンです。
背開きにした穴子を串に刺して、醤油ベースの甘辛いタレで、照りが出るまで焼きあげて蒲焼きにします。それを一口サイズに切って、ご飯の上に並べたものがJR宮島口駅の駅弁「あなご飯」。冷めてもタレがしみたご飯がおいしくいただけます。
江戸前の寿司ネタでは、梅雨時から夏場の脂ののらない時期が旬とされますが、蒲焼きで食する「あなご飯」は一年中おいしくいただけるとのことです。