2013/3/22 東京ローカルレストランのHidden Story

今週は、東京ローカルレストランのHidden Story。
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「東京ローカルレストラン」。そんな看板が、どこかの街角に出ているわけではありません。
それは、不定期にオープンするレストラン。
仕掛人は、株式会社ナノ・アソシエイツの浅雄一さんです。

「見つけるレストラン」と題してまして、日本のありとあらゆる食材を客観的に見ると、日本には四季があって多様性がある、食材に関して。そういった「こだわりを持って作られている食材を見つけよう」というのがひとつのコンセプトです。

で、2つ目が「店舗のないレストラン」ということで、今は不定期になっているんですけど、最初のころは毎月毎月、いろんなレストランで、その取材して来た食材を食べられる機会を創出するために、イベントとして、いろんなレストランでやってました。

日本全国津々浦々。それぞれの土地に根付いた 知られざる食材を東京の人たちに味わってほしい。
その場を提供してきたのが、「東京ローカルレストラン」です。
しかし、この企画を思いついた浅さんは、食のプロではありません。

うちのナノ・アソシエイツという会社は、もともと街作りに重きを置いている会社なんですけど、基本的にはデザインとか編集といったものを武器にして、街作りとか、地域の課題に取り組むことを目的にしている会社なんですね。

その中で、特に重きを置いているのが「地域の活性化」という部分だったんですけど、課題の多い地域をデザインの力で解決できないか。と、いうことで、いろんな地域を回らせていただいて、全国を回ったなかで、そこに共通して存在していたのが、農業だったり食というカテゴリーだったんですね。
もっと、こういう地域で、ものづくりを頑張っている方々を東京の方々に紹介できれば、「消費者の方の食の時間が豊かになるんじゃないか」と思ったのがきっかけです。

空間デザイン、グラフィック・デザインを手かげていたナノ・アソシエイツ。
地域の食をめぐる旅が 始まりました。

およそ5年前、浅雄一さんが日本全国を旅して出会った食材を東京で提供するイベントが スタートしました。

お皿の上の料理だけじゃなくって、「お皿の向こう側に、地域の姿や生産者の姿がある」ということを、もっと知ってもらう機会が何気ない時間に落とし込めれば、食が豊かになるんじゃないか。と、いうのが一番のコンセプトなので、東京の活躍されているシェフの方にお願いして、取材して来た食材を持って帰ってきて、毎月毎月イベントをやっていたんです。

地域では畑で食べる野菜は格別ですけども、じゃあ、それが料理としてどこまで発展しているかというと、洗練された料理というものが地域にはあまりなくて、逆に技術を磨いて来た東京のシェフによって、その素晴らしい食材がさらにどう変わるのかというのをより濃いストーリーにするために、お料理にしてフルコースとして食べてもらうイベントを毎月やってましたね。

現在は、不定期に、どこかのレストランを借りてオープンする「東京ローカルレストラン」。
もうひとつのコンセプトは、「その食材が生まれた地域に関心を持って欲しい」ということ。

今、沖縄で、うちの会社で、ひとつのレストランをプロデュースしているんですけど、最後は地元での場づくりということで、今、沖縄の糸満市で「糸満漁民食堂」という新しいコンセプトのレストランを開発しているんですけど、実は、糸満には漁師町の郷土料理がもともとあったんですね。それは、お魚をぶつ切りにしたものを酢みそ、濃い味付けであえたものだったりとか、漬けにしたものだったりとか、お魚を豪快に煮付けたさかな汁とか、そういった郷土料理をリサーチをして、そのまま出すのもいいんですが、せっかくなので、東京のシェフの方に監修をしてもらいたいということで、麻布長江の田村シェフにお料理を監修してもらって。

地方の食材を東京のシェフが「魅力の一皿」に仕上げ、人々を楽しませる。
その後、その食材の地元で東京で開発されたメニューを味わってもらう。
さらに、東京ローカルレストランをきっかけに、それぞれの地域で新商品の開発も始まっています。

食の感動が、地方の街から東京へ。そして再び、東京から地方の街へ。
喜びの輪が広がっています。