2013/4/5 世界の新人研修事情

街にフレッシュな社会人1年生を見かけるシーズンです。
学生気分も抜け、社会人としてのマナーを教わる研修も盛んですが、世界のあの国ではそういった「新人研修」はあるのでしょう。
今日も2カ国をコネクトしてお送りします。

新人研修ってあるのでしょうか?

イギリス、ロンドン。小林紀美さん 「あまり馴染みがありません」

いきなり社会人としてデビューすることになるのですか

イギリスでは学生時代にキャリアを積む機会のある「インターンシップ」という制度があります。 これは、経験の少ない学生が企業で勉強させてもらう代わりに無給で働くという制度でインターン中にビジネスマナーや技術のキャリアをつけるもの。 そして、企業もその人の能力を見極め雇用できるという制度です。 実は、イギリスの高校では「Work Experienceと呼ばれる就職体験プログラム」を取り入れている高校も少なくありません。1週間程度のもので、仕事をするというよりも「お手伝い」をするようなもの。このように入社してから新入社員の研修を受けるといより学生の頃から職場を肌で感じ、実践できる経験の場があります。 インターンの場所は、学校で用意してくれるのではなく新聞などを見て、インターンシップの求人広告を出している企業を自分で見つけ、探します。期間は短期から長期までありますが、たいだい2,3カ月から1年程度。そのインターン中をある意味「研修期間」と言えるかもしれません。

インターンと就職は直接結びつくのですか?

企業が気に入ればそのまま就職もできて、たとえ、そこに就職できなかったとしても履歴書に「自分が何をやってきて、何が出来るのか」ということを書くことが出来るのです。 履歴書の書き方も日本のような決まったフォーマットの履歴書用紙ではなく、自分を売り込むための自分の書き方でアピールします。自分の得意分野、特技や才能、自分は何が出来るのか、学生時代にどんなことをやってきたのかなどが武器になるため、ただ働き(のデメリット)以上にインターンシップでの経験は大切な場となります。

新人研修ってあるのでしょうか?

トルコ、イスタンブール。加瀬由美子さん 「ほとんどありません」

新人研修はないのですね?

日本のように一定のシステムで、一斉に入社式を行い、新人教育をセミナー形式で1週間とか2週間集中的に実施するところは、大企業でもほとんどないようです。 トルコ人の多くは、新入社員であっても職場が自分に合わないとか、こんなことはやりたくないと、気に入らなければさっさと翌日からでも、連絡なしにもう会社に来ない、というのが日常茶飯事です。

実地訓練が主なのでしょうか?

会社としては一斉研修よりも訓練期間(試用期間)を無難に過ごした学生を採用し、正式入社した時にはすでにある程度、事務、営業、販売など即戦力になる方法を取っています。 一般企業の新人達は訓練中に培ったものと合わせ、配属された部署の先輩達から、人付き合い、会社の規則、マナー、客との応対などなどをマンツーマンで教わりつつ、育てられることが多いようです。 ただし、人命を預かる航空会社などでは一斉研修をやっており、大学や専門学校を出たばかりの新人フライト・アテンダント達が大勢で実地訓練を受けている現場の国内線などに乗り合わせることもあります。