2013/5/10 シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマー、高橋雄太さんのHidden Story

今週は、カナダ、モントリオールを本拠地とするエンターテイメント集団、シルク・ドゥ・ソレイユが手がける『Michael Jackson THE IMMORTAL World Tour』に出演する日本人パフォーマー、高橋雄太さんのHidden Story。

高橋さんは中学から大学まで新体操の選手として活躍。
それが、シルク・ドゥ・ソレイユに参加するきっかけとなりました。

このカンパニーのほうから、日本体操協会に「演目として取り入れたい」という話が5年前くらいからあった。と、いうのは聞いていて、最終的にこのマイケル・ジャクソンのときに正式オファーがきまして、で入ったという感じですね。
だから、ほとんどオーディションもなく、直接「合格というか採用です」という形になってカナダの本社に飛んだ、という形ですね。

たぶん、2009年のYouTubeで150万回再生されている動画を見て、確実というか、その動画がなかったら「どうかな?」とも思うんですが、その動画で火がついたという感じですね。普通の試合の動画なんですけど、そのシンクロ性とかアクロバット、日本にしかない競技なので。

高橋さんいわく、ほぼ日本にしかないという競技、男子新体操。
青森大学の3人をはじめとする合計7人のメンバーがカナダへ飛びました。

最初はクリエーション期間といいますか、その演目に限らずいろんなことをやったり、人前で演目ができるようにというか、人に見られるのに慣れるトレーニングをしたりとか、最初はスロースタートでした。

本社のトレーニング場で練習して、そこで3カ月くらいトレーニングして、そのあと違う場所にステージを組んで、そこで1カ月とかトレーニングして、本番初日を迎えた。という感じですかね。

もちろん、最初からスムーズにはいきませんでした。

男子新体操。それは世界でほとんど知られていない競技。
まずは、シルク・ドゥ・ソレイユの振り付け師に、どんなパフォーマンスにするのか、高橋さんたちから提案を行いました。

「形がないとイジリようもない」と思ったので、流れは作ったんですけど、自分たちが作るのって、試合形式で前の審判に対して見せるものだったので、その間というか時間を大事にしてたスポーツなんですけど、サーカスとして人に見せるときに、「それじゃ落ち着き過ぎてつまらないわ」とか「もっと激しく」という意見もあって、今の演目が出来たという感じですかね。

シルク・ドゥ・ソレイユが手がける『Michael Jackson THE IMMORTAL World Tour』。
日本人パフォーマーが登場するのは、この曲『Scream』。

基本はシンクロの動きだとか、シンクロのアクロバット。
衣装は、上半身はほぼ裸に近くて、下にパンツをはいてて、頭にウィッグをつけてるという感じですかね。

世界じゅうから集まったパフォーマーたち。
日本の男子新体操のメンバーたちが、オーディションをせずにシルク・ドゥ・ソレイユに加わったことについて、高橋雄太さんはこう語ります。

「相当、めずらしいんじゃないかな?」と思ってるんですよね。

しかも、日本人のグループはこのカンパニーで初めてっていうのと、自分たちの演目なので、自分はリーダーをやらせてもらっているんですけど、このカンパニーで日本人がそういうリーダーについたのは初めてとか言われて、日本人もシルクに何人も所属しているんですけど、そういうリーダーとかになった人はいなかったんじゃないかなと思っていて。

高橋さんたちがシルク・ドゥ・ソレイユに参加する、ひとつのきっかけとなった青森大学、男子新体操部の動画。
実は、撮影されたその試合は、2009年、大切な仲間が命を落とした後、友への想いを胸に行われたもの。
それは、マイケルが星になったのと同じ年の出来事でした。