2013/7/19 世界の貯蓄事情

日本株を中心に株価が上がっています。貯蓄が多いといわれる日本ですが、あの国での「資産運用事情」はどうなのでしょう。
今日も2カ国をコネクト。

貯蓄はしていますか?

スイス、バーゼル。サウター美由紀さん 「中高年層は貯蓄をしています」

スイスというと銀行預金というイメージがありますが?

特に海外の富裕層がスイスに(往々にしてプライベートバンクに)預金をするのは、スイスが永世中立国であること、スイスフランの安定、預金保障、プライベートバンクならではのサービスや銀行の機密保持が完全に保たれてきたことに大きく関わっています。

スイスに預けていれば大丈夫、という安心感を買っているのだと思います。世界のお金がスイスに集まるのは、歴史上そういったサービスを提供し続けてきた信頼があるからでしょうね。

一般のスイス国民の資産運用事情はどうなのでしょうか?

最近の若い人達は、かなりぎりぎりのお金回りで生活しているようで、実際の貯蓄についてどうなのかは分かりませんが、車や趣味、休暇に手持ちのお金を使い切る形で暮らしている人が多いように思います。 なので、給料が急に滞ったりすると、すぐに困ったりするようです。

逆に、中高年層は貯蓄堅実派が多いように思います。
一番お金を持っているのは、今年金をもらっている世代だと言われています。
ただ、スイスでは仕事や年齢に対しての最低賃金のラインが守られていて、あらゆる職業で労働保険や休暇が補償されていますので、日本のようなワーキングプアーの状態には陥りにくくなっています。

貯蓄はしていますか?

アメリカ、NY。中村英雄さん 「銀行には預金しませんが資産運用はしっかりしています」

アメリカといえば貯蓄をしないというイメージがありますが?

一般にアメリカ人は「銀行に預金がない」と言われていますが、これは彼らが消費に明け暮れて「お金を貯めない/増やさない」ということではありません。

信頼できるギャラップ社の調査によると、2010年時点で、アメリカ人の62%が収入があったら貯蓄に回す、と答えており、35%が消費に回すと言っています。つまり、貯蓄性向の方が27ポイントも強いのです。

貯蓄性向が強まったきっかけは、2008年のリーマンショックです。

アメリカは小切手社会なので、当面の生活費支払いのための普通預金(当座預金)は、広く浸透しており、その意味ではみんな銀行によく通います。しかし、銀行が提唱する預金とくに定期預金は、人気がありません。
その理由は、日本同様、あまりにも低い金利、そしていろいろな場合にかかる手数料です。

それでは資産運用はどのようにしているのでしょうか?

不人気の銀行貯金にかわってどこにお金を預けて増やすかといえば、株式市場。 多種多様の投資ファンドなど高利回り商品を買う人が多いです。

もちろん、株は投資ですから、損することもありますが、そこは自分と投資銀行のチームワークで、損しないよう、毎日、血眼でウォールストリート・ジャーナルやネットで世界経済の動向をウォッチしながら蓄財と資産管理。それがアメリカンスタイルです。

お金を使わないで将来のために貯めておこうという気分は、ここ4−5年特に強いのですが、そんなに暗くならないのがこの国の国民性のいいところ。

所詮、金だろ?たかが金じゃないか、金は天下の回りもの。豊かだった昔なんてこれっぽっちも懐かしくない。また、機会が来たらがっぽり稼ぎゃいいさ、てな感じです。