秋田県横手市、昔の商人の家が続く通りを、
ゆっくりと散歩しながら、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。和食の朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
明治から昭和初期にかけて物流の中心として栄えました。今も伝統的な街並みは、当時の名残をとどめています。
特徴は玄関からは見えない家の奥の、そのまた奥にある「蔵」。
奥行きが数十メートルにも達する母屋と一体になっています。
「内蔵」と呼ばれるその場所は、土間ではなく、板の間。
磨き上げられたの壁や、漆塗りの柱など、職人の技が光る歴史的な価値のある「蔵」が数多く残っています。
今は生活空間として使われ、保護地区に指定された中心街では一般公開されている「蔵」もあります。
単なる名所旧跡ではなく、生活のある家に上がり込んで、そこに住む人とのコミュニケーションを楽しむというのがの「蔵」見学のユニークなところです。
雪で作った家の「かまくら」で有名な横手市は、日本有数の豪雪地帯です。
食料を保存する必要もあることから、古くから味噌や納豆など「発酵食品」の文化が根付いていました。
朝は地元の秋田米の炊き立てのごはんとともに、納豆やみそ汁をシンプルにいただきますが、これ以外に「ぼたっこ」と呼ばれる塩鮭の切り身を焼いて、それをほぐして、ごはんに乗せましょう。
保存を目的に作られているので、最初はかなり塩味がきついと感じるかも知れません。
また、その切り方は一般的な切り身の半分以下の大きさで、長方形に切ってあります。
並べると「ボタンの花」のように見えることから「ぼたっこ」という名前の由来になったと言われます。
スモークした大根の漬物、「いぶりがっこ」とともに、アツアツのごはんでどうぞ。
増田町には江戸時代からずっと行われている「朝市」があり早朝から旬の食材が並びます。