2013/12/27 世界の謝罪事情

この一年間、さまざまな不祥事があり、記者会見で、トップが謝罪をして頭を下げるシーンなどが報道されてきました。
そうした謝罪については、あの国ではどうなのでしょうか?
今朝も2カ国とコネクト。

謝罪をしますか?

インドネシア、ジャカルタ。規矩田せいじさん
「基本的に謝りません」

やはり文化の違いなのでしょうか?

「謝る」ことは「自分の非を認めることであり、自分の罪を認めることですから、よっぽどのことがないかぎり謝らないわけです。 まして、捜査中や裁判中であったなら、むしろ「自分は正しい」と主張することはあっても、日本のように、「この度はお騒がせしてすみません」なんてことは言いません。 「むしろ、騒ぎになって迷惑なのはこっちだ」くらいの感じです。

謝らない事に対して怒ったりはしないのでしょうか

極端な例かもしれませんが、今年4月、インドネシアの格安航空会社の飛行機が、バリの空港で着陸に失敗して、海に突っ込んだのですが、この時、この航空会社の社長は、ポロシャツ姿でガムを噛みながら会見に臨みました。
さすがに、これはインドネシア国内でも批判にさらされました。

ちなみに、日本語の「すみません」の意味で日本人はよく「ソーリー、ソーリー」と言いますが、「日本人はなんでよく謝るの?」と言われます。そんな時、私は「日本人が言うソーリーは、Excuse meの意味です」と答えることにしています。

謝罪をしますか?

中国、上海。松田奈月さん
「あまりありません」

「あまりない」という事は、謝罪する時もあるんですね

中国では、「謝罪するということは『自分の否を認めて責任を取る』という意思表示」として理解されるので、イコール即補償問題に話はつながります。

謝罪によりお詫びの気持ちを伝える誠意を重視するのではなく、謝罪をすることは賠償を責任を持って行うことへの意思表明としてとらえられるので、中国ではまず謝罪するというケースは少ないのではないかと思います。
より慎重に、賠償問題なども視野に入れて検討されてから、どうしてもの場合に謝罪し、その場合(社会問題や企業のブランド問題に関わるようなケース)はトップの謝罪文発表や、テレビでの謝罪放送などが行われることもあります。

どんな例がありますか?

今年はアメリカのアップル社や韓国のサムソン電子が、その自社製品のアフターサービスの問題で公的に謝罪するという出来事がありました。
もちろん謝罪するだけでなく、アフターサービスの改善(新品の部品で対応する、無料対応するなど)という消費者への補償を表明し、それによって中国におけるブランドイメージを守ったといえるケースです。

独フォルクスワーゲン、仏カルフール、米ヤム・ブランズ といった多国籍企業も中央テレビの批判を浴びて謝罪しています。