大衆薬のインターネット販売を、ほぼ全面解禁する改正薬事法が4月にも施行されることになりそうです。
そうしたネットでの薬の販売事情、あの国ではどういう事情なのでしょうか?
今朝も2カ国をコネクト。
スイス、バーゼル。サウター美由紀さん。
ネット販売は法律で基本は禁止、薬局でアドバイスを受けるのが普通です。
スイス国内で取り扱われる全ての医薬品は、スイスメディックという医薬品認可機関によって安全性の検査が行われた上で承認を受けています。
スイスではありとあらゆる法律が州によって違い、薬事法も州によって差があるようです。
そうした中、現在スイス国内でオンラインでの薬販売を扱っている会社は、数も少なく、各州の法律に基づいて特定の条件を満たした上で、特別認可を受けて営業しているものです。
販売に当たっては、全ての薬の購入に医師の処方箋を必要とします。
スイス人にとって医療医薬品は、もちろん、医者の処方箋を持って薬局で。
「咳止めシロップなど、処方箋の要らないもの(一般医薬品)も、薬剤師のいる薬局でアドバイスを受けて購入する」というのが一般です。
薬局の数は多く、年中開いている緊急薬局が各都市にありますので、「薬は薬局で買う」というのがスイスの常識で、ネットで薬を購入しようとは思いません。
もちろん、ごく一部に、海外のサイトや隣国からの直接購入など、取締りの及ばないところから、スイス国内では認証を受けていない薬が一部では流通しているようで、中国産の痩せ薬やアメリカからの栄養剤など、多種類の非認可製品が年間50,000品以上が摘発されているそうです。
アメリカ、ニューヨーク。中村英雄さん。
買えるけれど、ニューヨークではあまり盛んではありません。
アメリカではずいぶん前からネットによる薬の販売が行われていますが、多くが街のドラッグストアのサイトです。
まあ、商品構成も同じですし、価格もさして安くない。
特にニューヨークは、あちこちにドラッグストアがあるし、24時間営業もあるので、あえてネットで注文して配達を待つというのを利点と考える人は少ないし、そもそも処方せんが必要な薬はネットで買えません。
日本に比べてアメリカの一般人の薬品、薬事知識の量は多いと思います。
自分の病気と薬について大変よく勉強しており、お医者さんの処方に対して患者さんが反論するケースも少なくありません。 また、薬剤師とも対等に薬学的な話をします。
なぜ、そうなのかというと、アメリカでは薬の情報が日本に比べて圧倒的に多く開示されており、インターネットを使えば、新薬の治験結果や学術論文、研究発表なども簡単にアクセスできます。
日本の場合、このような開示がまだ限られており、新しい情報も翻訳されていないので、「医学英語に明るいごく僅かな人以外は、理論武装をして、お医者さんにくってかかるような患者さんはまずいない」と聞きました。