古代から栄えたイランの都市エスファハーン。
広場の真ん中で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。軽い朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
首都テヘランから南におよそ340キロメートルにあり、紀元前から交通と文化の要所として栄えてきました。
街の中心にあるイマーム広場は、周囲に宮殿やモスクなど増改築を繰り返した、古くからの建物が立ち並んでいます。
青をベースにしたアラベスク模様のタイルで覆われた、荘厳な建造物が特徴的で、世界遺産に登録されたイマーム広場。
世界中から訪れる観光客で、一年中にぎわいますが、特に金曜日はイスラム教の合同礼拝の日にあたるので、多くのイスラム教徒が、その一角にあるモスクに集まります。
金曜日の礼拝はお昼過ぎからはじまるため、遅めの時間に食べるお昼ご飯が一日のメインになります。
そのため朝はパンを中心に軽くすませるのが一般的。 「ナン」の先祖ともいえる平焼きパンの起源は、イラン周辺が古代メソポタミアやペルシャだった時代、と言われています。
それだけに現在のイランのパンは「バルバリ」と呼ばれる細長く楕円形の「ナン」に似たものが最もポピュラーです。
いわゆる「ナン」と違うのは、パン生地を発酵させ、見た目には少し分厚いこと。表面がカリッとしていても、中はしっとりとしたコシがある食感が特徴です。
焼き上がったところに白いゴマをふりかけていただきます。 朝は生クリームやジャム、蜂蜜などをのせて食べるほか、トマトベースのスープに、小さくちぎった「バルバリ」をどっぷりとひたして、柔らかくして食べることもあります。 暖かいミルクティーと一緒にどうぞ。
スープと一緒に食べる時は、薬味としてスライスした生タマネギを、少しずつかじりながら食べるようです。