中東イスラエルの東側の街、エンボケック。
湖からのぼる太陽を仰いで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。元気が出るごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
日本の四国ぐらいの国土を持つイスラエルの、代表的な都市、エルサレムの南およそ80キロメートル。
バスで1時間半のエンボケックは、「死海(Dead Sea)」という湖に面した、ちょっと変ったリゾート地です。
世界で最も低い陸地にあるというその湖の標高はマイナス400メートルあまり。
年間降水量が極端に少ない砂漠地帯にある「死海」は、真冬でも水温が高いので、湖の水が蒸発し続け、塩分の濃度は海水の10倍もあるといわれます。
カラダを動かさなくてもぽっかりと浮き上がるので、湖に入る人は新聞を読んだりしてのんびりとしています。
塩の結晶の塊が湖底に沈んでいるのが見えても、それを取るために潜るのが難しいほどです。
「シャクシューカ」とは辛味のきいたトマトソースに生卵を入れて、軽く火を通して煮こんだおかずです。
みじん切りにした玉ねぎ、パプリカ、唐辛子、そしてにんにくを炒めて、トマトペーストとオリーブの実を加えそこに塩、コショウ、クミンを入れて、味をととのえ、弱火でじっくりと煮込みます。最後に卵を落とし入れて、半熟になったら出来上がり。
一般的な家庭料理ですが、イスラエルの街の食堂でも欠かせない朝の定番メニューです。
パンをちぎってソースをすくい取りながら、生野菜のサラダと一緒にいただきましょう。
ピリっとした辛みで、カラダに活力がみなぎります。 にんじんジュースと一緒にどうぞ。
北アフリカでは同じような煮込み料理があちこちにありますが、オリーブの実を入れるのが、イスラエル風だそうです。