イタリア北西部ピエモンテ州の街、トリノ。
広場のまんなかで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。軽い朝ごはんにしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
紀元前から脈々と続く歴史と由緒がある街トリノ。
ローマ帝国時代からの名残で、市内は碁盤の目のように道路が走り、旅行者にもわかりやすい街です。
また中世にこの街を支配した貴族の手によって、多くの芸術、文化、建築技術が持ちこまれ、今に至ります。
そのひとつが旧市街にいくつもあるアーケード。
貴族が「雨に濡れないで街を歩きたい」という事で建設したものです。
また市内のあちこちには、小さな噴水があります。
現地の人々はその一角にある、牛の顔の形をした水の吹きだし口から、直接水を飲みます。
なぜ牛の顔なのかというと、トリノのシンボルは雄の牛だから。
アルプスからの地下水が源流となる、おいしい水道水が、豊富にあるので、それがトリノの自慢にもなっています。
細長いスティック状のパン「グリッシーニ」。
カリッとしたクラッカーのような食感で、レストランでは他のパンと一緒に出される事も多いポピュラーな食べ物です。
この「グリッシーニ」は17世紀頃、トリノの王子が幼い時に病弱だったため、お抱えパン職人が食事療法のために作ったというもの。 普通は前菜の生ハムをくるくると巻いて食べたり、スープやサラダと一緒に食します。
朝には、砕いたヘーゼルナッツをメインに、ココアや砂糖をまぜたチョコレート風味のペースト「ヌテラ」を「グリッシーニ」につけて食べるのがトリノ流。
直接かぶりつかないで一口サイズに折ってから食べるのがお行儀のいい食べ方です。
ミルクたっぷりのカプチーノと一緒にどうぞ。
ヘーゼルナッツのペースト「ヌテラ」と「グリッシーニ」、そして飲み物がワンパッケージになった商品がイタリアのスーパーなどではポピュラーです。