四国の高知県、高知市の繁華街。
「はりまや橋」の上で、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。旬の魚にしよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
江戸時代は土佐藩の城下町として栄えた高知市。
ここで生まれ育った幕末の英雄、坂本龍馬は、今もなお地元の人々の誇りです。
高知城から東に延びるメインストリートのひとつ「追手筋」では,毎週日曜日になると、夜明けとともに「日曜市」という朝市の準備がはじまります。夏は朝5時、冬でも5時30分にはオープン。
新鮮な野菜や果物など、店先に並んでいるのは郊外の農家が持ち寄った手作りのものがほとんど。
金物や工芸品の店もあって、その数およそ500店。露店の長さはなんと1キロ以上にわたります。
生産者と消費者が、旬の食材を介して、コミュニケーションをはかる場として300年以上の歴史がある「日曜市」。全国からの観光客などもあわせると1日におよそ1万5,000人が訪れるようです。
高知の人々にとって「鰹」は特別な魚。
実際に地元の魚売り場で「鰹」が占める面積は、他の地域とは比較にならないほど広く、その消費量は群を抜いて全国一です。赤道付近で産卵し、餌を食べながら、黒潮に乗って北上し日本近海に来るのがちょうど今です。
主に2キロぐらいまで育ったものが食べ頃で、釣ったあとに冷凍はせず、生のままいただけるのはやはり地元ならではの楽しみでしょう。
ワラに包んで、直火で焼き上げる「鰹の叩き」は、粗塩を振って、スライスした「にんにく」をはさみシンプルに食べるのが一般的です。
炊き立てのごはんとみそ汁と一緒にどうぞ。
春と秋に旬がある「鰹」ですが、脂がのった秋の「戻り鰹」にくらべて、「初鰹」は赤身が多くさっぱりした味が特徴です。