アメリカ、ニューヨークのセントラルパーク。
周辺のビル街を見上げて、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。パン屋さんで朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
マンハッタン59丁目の広い通りはセントラルパークの入り口。そのすぐ横には芸術の総合施設、リンカーンセンターがあります。大きな噴水が目印で、正面にある白い建物がメトロポリタンオペラハウス。そのロビー両脇の壁には、巨大なシャガールの絵画が飾られています。
右手にはニューヨーク交響楽団の本拠地のコンサート・ホール、左手にはニューヨーク・シティ・バレエが行われるD.H.コーク劇場(David H. Koch Theater)があり、格調高い雰囲気が漂います。リンカーンセンターの北側一帯で、セントラルパークとハドソン川の間に位置するのが、通称アッパー・ウエストと呼ばれる静かな地域。
超高層ビルがひしめきあうマンハッタン中心部とは違って、アパートと庶民的な商店が混在し、生活感あふれる場所です。
センスのいいブティックやレストランもたくさんあって、ニューヨーカーの暮らしぶりを垣間見ることができます。
朝食メニューが売り物の、カフェやレストランがしのぎを削るのがアッパー・ウエスト。
「パンケーキ」「フレンチトースト」そして「卵料理」など、それぞれの店が工夫を凝らしています。
その中でもアメリカの「ビスケット」は、日本の堅い歯ごたえの「お菓子のビスケット」とは違い、生地に植物性の油を加えベーキングパウダーで膨らませた、外はサクサクとしていて中がしっとりした食感の、パンの一種です。
甘いものと一緒に食べるのではなく、ハムやソーセージなどを挟んで食します。朝から行列の出来るレストランではクリーミーなトマトスープと一緒にいただくのが人気の食べ方だとか。
スープに「ビスケット」をたっぷり浸して、どうぞ。
見た目や食感は、イギリスの「スコーン」と似ていますが、油が少なく、あっさりしているのがポイントです。