2014/7/4 日本仕事百貨のHidden Story

今週は、「生きるように働く人の仕事探し」を合い言葉にした求人サイト『日本仕事百貨』のHidden Story。
日本仕事百貨

『日本仕事百貨』。そのウェブサイトは、通常の求人サイトとは違い、それぞれの仕事にまつわるストーリーがまるで雑誌の記事のように 取材に基づいて紹介されています。

例えば、「福岡県那珂川町の地域おこし協力隊員」の募集は『ヒーローのいる田舎福岡市から30分の大自然で暮らす』というタイトルのもと、記事が書かれています。また、「三越の店内案内および接客関連業務」については、『期待値を超えていく』という見出しで、実際に働かれている人へのインタビューが掲載されています。

「世の中の仕事を、今までのやり方で伝えるには限界もあるな」と感じていて。

例えば、働いている人がどんな生き方なのか、どんな人なのか、あとは仕事の大変なところとか、給与とか勤務地とか、そういう雇用条件だけではなくて、担当者の言葉みたいなものだけじゃなくて、その人となりというか、働く姿勢みたいなものを伝える方法があるなと思って。

逆に言うと、インターネットでエントリーはすごく簡単になっちゃうんで、便利になったけれど、すれ違いも生んでいるなと感じていて。

で、僕らは、基本的には全部現地で取材をさせていただいて、そこの人にじっくり話を伺ったり、場合によっては、そのご近所さんとか地域の人の話も聞いてみたり。

実際に働く人が体験するであろうことを代わりに体験することで、その職場に立った時にどう感じるのか、っていうのをとにかくあるがまま伝えようと。

取材にお答えいただいたのは、『日本仕事百貨』を主宰するナカムラケンタさん。
建築の仕事などをされていたナカムラさんがこうしたウェブサイトを始めた理由とは?

社会人4年目のときに、モヤモヤすると行っていたバーがありまして。週6日くらい通ってたんですよ。週1日は定休日だったんですね(笑)。毎晩通ってたんです。

そのバーが超好きだなと。
「なんで好きなんだろう?」と考えたときに、結局、内装も大切なことかもしれないし、食事やお酒も大切なことかもしれないけど、一番大切なのは人だと。

そこに合った人が働いていると、その人は生き生きと働けますし、生き生きと働いている人がいる場所というのは、素敵な場所だなと。

ずっと場作りという意味でいろんな経験をしてきたんですけど、そういう人と場所を結びつければ、世の中に良い場所が増えていくんじゃないかなと思って、それって何だろうって考えたときに、求人サイトを運営すること。
で、それがきっかけになって日本仕事百貨を始めました。

2008年の8月に、ウェブサイトを開設。
当初は苦戦した求人の依頼も、次第に集まるようになっていきました。

最初は知り合いに声をかけてご紹介いただいたりしてましたけど、そのあとはクチコミで広がっていって、ある地域でうまくいった方が、「彼いいね、どうやって入ったの?」って経営者同士で話されて、「実はこういうサイトで募集して、来たんだよ」とその地域から何件も依頼をいただいたりとか、あとは、日本仕事百貨って転職をするつもりのない人が読み物として読んでいただいていて、そういう方が人事担当になるとですね、「ずっと前から読んでたんですけど、人事の責任者になったんでお願いしました」とか、ちょっとずつ、ちょっとずつ広がっていってるという感じですね。

ナカムラさんは今、虎ノ門の「リトル・トーキョー」というスペースで「しごとバー」を運営されています。
これは、毎日、さまざまな職業の方が1日バーテンダーをつとめるイベントです。

いろんな生き方、働き方があるのを伝えたい。

それを文章と写真で伝えるのが日本仕事百貨という求人サイトなんですけど。僕が取材に行って感じる、その人の生き様というか、生きる姿勢というか、背中というか、そういうのを感じるんですよね。それを文章にもするんですけど、それは実際会って話した方が早いなと思って。

それを例えばトークイベントのようにして一方的にその人が話すよりも、ざっくばらんに話せたほうが、その人の人となりを感じられるだろうと思って始めたのが「しごとバー」です。

6月の週末、お天気キャスターの方がカウンターに立つ「お天気ナイト」が開催されていました。
お酒も入って、リラックスしたムードで会話が交わされています。

閉店後、バーに集った方に、感想を伺いました。

仕事バー。僕、5回目ですね。

偶然の出会いが色々あるんですね。
興味でつながって会う場って、社会人ってなかなかないですし。
別の日にもいろんなテーマで誰かが話されてるじゃないですか。

自分の知らない世界が学べるというのは、しかも、ドリンク代だけで学べるというのは、すごく良い機会だと思います。

虎ノ門の夜、ナカムラケンタさんはこう語ってくれました。

やっていて一番思うことは、世の中には本当に色々働き方、生き方がある。自分が働いている会社とか友達のなかで、そういう人たちが働いている仕事というのは、世界のごくごく一部だと思っていて。それを日々の取材で感じていて。

「え、こんな生き方ありなの?だったら、もっとこうしたいな」とか、そういう風になっていくと思うんですよね。
やっぱり知ることから色々始まるんだろうし。そうすると自分の生き方、働き方も変わっていくんじゃないかと思っています。

社会を変えるとまでは思ってないですけど、着実にそういうところで新しい何かを知る機会を伝えていくということを続けていければ良いですし、僕自身もバーでいまの働き方、生き方に出会ったので、そういう機会を作れたら嬉しいですね。

いきいきと働く人がいる場所は、いい場所である。
そして、そんな場所が増えれば、もっと楽しい世の中になる。

『日本仕事百貨』と『しごとバー』で多様な働き方、生き方を伝える日々が続きます。


「しごとバー」。面白そうですね!
いろんな職業の方が日替わりでマスター。
これは発見がありそうです。

ちなみに、今日は「ソーシャルビジネス・ナイト」、来週月曜は「カメラ・ナイト」となっています。

日本仕事百貨
しごとバー