今週は、海の日を前に離島に特化したメディア「離島経済新聞」のHidden Story。
離島経済新聞
418。
この数字は、日本の有人離島、つまり、人が暮らす離島の数です。
418。
そんな離島にスポットを当てるのが、「離島経済新聞」、通称「リトケイ」。
編集長をつとめるのは、鯨本あつこさん です。
きっかけは2010年なので、今から4年前なんですけど、いま、会社がある世田谷ものづくり学校にある社会人スクールに通い始めまして、そこでデザイナーとか編集者の仲間4人くらいと仲良くなって、何かメディアを作ろうと言いだしたのがきっかけです。
最初は、日本の中の良いものを集めるメディアをしようということで、特に離島ではなかったんですけど。
どういうテーマのメディアが良いだろうと話している時に、たまたま同級生に離島に移住するお姉さんがいまして、その方の離島に遊びに行った時に「島っていうテーマが面白いんじゃない」という話が浮上してきたので、そこから離島になっていったんです。
それまで、「島」とは ほとんど関わらずに生きていた、という鯨本さん。
しかし、友達のいる 広島県の大崎上島を訪ねたことで運命が方向を変えていきます。
島っていう存在とか、魅力的なところだなと私たちみんな感じていて。
で、魅力的なんですけど、島にまつわるメディアとかあんまり多くなくて。インターネットでもさほど探せないし、雑誌もそれほどないですし、こんなに良い事がいっぱいあるのに注目されないのは何だろうなと思いまして。
で、その前に私が経済誌を作っていたので「離島経済新聞」って、経済がついてきて。そういうと適当に聞こえちゃうんですけど、メディアを作っているのが「何かしら離島の人たちの経済に貢献できたら」っていう作り方をしているので。
「離島の経済に貢献できるといいな」。
2010年の秋、離島経済新聞は、ウェブメディアとして、走り始めました。
それから およそ半年後、東日本大震災が起こります。
やっぱり、島みたいな暮らし方をしている人って、自然と暮らしているわけじゃないですか。
自然と人と。そういう暮らし方って、むしろ震災をきっかけに「大事なんじゃないかな」と思う人が増えたと思うんですよ。
だから、逆に私たちも「もっと身を入れて情報を出していこう」という方向に考えを整えて、それで夏頃に「紙媒体を作りたいね」という話になりまして、2011年に紙媒体も作り始めました。
タブロイド版の最新号の特集は「離島観光特集」。
キャッチコピーには、「島の光を観に行こう」とあります。
鯨本さんいわく、観光とは、光を観にいくこと。
そして、島の数だけ、光はある。
たとえば、以前、紹介された 東京都の三宅島にはこんな歌がありました。
三宅島のリターノというお店のマスターが歌う「離島ブルース」。
すごいパワフルですよね。
6〜7年、全島避難で戻ってらっしゃるから、それで戻ってらっしゃる島の人たちも、すごくパワフルなんですよね。
先祖がそこでずっと生きてきたとか、自分たちがその島を大事にしている誇りだとか、その気持ちでその土地に生きているって、素晴らしいことだなって思うんですよね。
私たちが、例えば私は世田谷区に住んでいますけど、そこにこだわりを持って住んでるかというと、そうでもなくて、それに比べると、土地のことを考えて暮らしているというのは、すごくうらやましくて、彼らと話すことですごく勉強になっています。
「離島経済新聞」の編集長、鯨本あつこさんはこんなことも語ってくれました。
いろんな島の人たちがよく言うことなんですけど、「島は日本の縮図だ」ってよくおっしゃるんですよね。そういう事って行ってみると感じることがたくさんあって。
ひとつひとつの島の持っている課題であれ、魅力であれ、それが日本の縮図的だなと思いますね。
なんか、日本のことを全部、日本を変えようみたいな話を聞くと、どうやって変えるんだ?って、それって難しくないか?と思うんですよね。でも、島1個であれば、どうにか良くしていくというのは想像がつくじゃないですか。
島1個あたりで考えていったほうが、地に足がついたような活動ができたりとか、そういうのは島にはよくあるかなと。
島にはヒントがある。例えば……
島の場合は20〜30年くらい日本の課題の先を行っているというところがあるんですよ。20〜30年前から少子高齢化で、その対策をすでに打っているところもいっぱいあって、例えば大分県の島では、ワークシェアリングっていって、役場の仕事を短縮して
いろんな人、仕事を得られる人を増やすとか、そういうことをやってる島もあるし。
いろんな地域の参考になることになるのかなと思いますね。ある島が言ってたのが
一周回って、今、島が最先端だとおっしゃるんですけど、私もそうだと思いますね。
都市は都市のシステムが機能していれば生きていけると思うんですけど、でも災害があったときに、システムがストップすると何十万という人が生きれないんですよね。でも
島は、ある一定の自然のなかで限られた人数の人が生きている。その人たちが自力で生きていけば、うまく生きていけるんですよね。
島の人は、限られた資源を分け合って、生きている。
そして、島をこよなく愛している。そこには仲間もいる。
日本の未来のデザインは、離島にこそあるのかもしれません。
離島経済新聞も協力するイベントが、今日からスタートします。
「奄美黒糖焼酎島酒Week」と題して、銀座、有楽町の33店舗で黒糖焼酎がお楽しみいただけます。
参加店舗については、離島経済新聞のウェブサイトをご確認ください。
離島経済新聞
【Welcome】個性豊かな奄美群島が有楽町駅前にやってくる「\やってきました/ 奄美群島フェア in 東京」7/21開催
さらに、21日海の日には、有楽町の駅前で「奄美群島フェア」が開催されます。
こちらには、我那覇美奈さんをはじめ奄美出身のミュージシャンも出演して、ライヴを行います。
もちろん、食のブースもあります。
そして、離島経済新聞が発行する「季刊リトケイ」。
最新号は「離島観光特集」。
こちらも 発売中ですので、チェックしてみてください。