ドイツ南部の街、フライブルク・イム・ブライスガウ。
朝日を浴びて行き交う人を眺めて、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。たっぷりと朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
フランスやスイスに近いドイツ南部にあり、人口およそ23万人の小さな街フライブルク。中世の美しい街並みが今も残っています。大学が多い学生の街としても知られていて、朝早くから活発に人々が行き来しています。ドイツの中でも最も日照時間が多い都市のひとつで、「ベッヒレ」という小さな水路が旧市街には流れ、石畳のオープンカフェで語らう人々の姿が目立ちます。
環境保護に積極的な取り組みをしていることもあり、世界中から注目されている都市でもあります。そのきっかけとなったのは1970年代。酸性雨で近くにあるシュヴァルツヴァルトの森林が枯れてしまうという危機があったこと。大気汚染対策として市の中心部への自動車乗り入れを制限し路面電車を中心に公共交通との連携を充実したこと。エネルギー政策では、自然エネルギー推進をとり、特に太陽光発電の普及に励んでいます。
「朝食は皇帝のように食べる(Esse morgens wie ein Kaiser)」というドイツのことわざにあるように、ハムやソーセージ類、チーズ、卵料理、野菜、そしてパン。朝食ビュッフェのあるホテルはもちろん、家庭でもテーブルの上に並ぶ食材の種類はとても豊富です。
もともとドイツ南部のソーセージで、今は朝の定番となった太くて中指くらいの大きさの「ニュルンベルガーソーセージ」。こんがりと焦げ目が付いたものを頬張ります。
とはいえ朝のソーセージ類は冷たいものが一般的。薄切りにしたミートローフのような「レバーケーゼ」やジューシーで柔らかいソーセージの「メットヴルスト」をケシの実がいっぱいのった丸いパンの「カイザーブロート」と一緒にどうぞ。
ドイツ国内で1,500種類以上はあるといわれるソーセージ。
その地域ごとに名物のものがあります。