今から111年前の1903年8月22日。東京の都電が「品川〜新橋」間として運行をスタートしました。そんな「路面電車」事情、あの国ではどうなのでしょうか?
今朝も2カ国をコネクト。
スイス、バーゼル。サウター美由紀さん
「街中に張りめぐらされています」
間を空けずに次のトラムが来るので、バーゼルの街中に住んでいる人は車を所有していない人も多いようです。
今、街中を走っているのはモダンな車両で、ベビーカーや車椅子でも乗り降りの便利な車体の低いものですが、バーゼルには TanteSchuggi(チュッキおばさん)と言って、1914年にベルンを走っていた古い車体もあり、団体で予約をすれば、好きなコースを走って中で食事が出来ます。
私自身は郊外に住んでいるのでもっぱら車での移動で、公共交通機関はたまにしか利用しません。
車を運転する側からすると、バーゼルの街中へ行くと、車、歩行者、自転車、トラムが互いに交差し合う中で信号のない場所が結構あるので、事故を起こさないように神経を使います。
トラムには公共交通機関という優先意識があるので、運転手でかなり強気な運転をする人もあり、接触事故はしばしば起こります。
実際、私の義理のお母さんや私の知り合いでトラムと接触事故を起こした人が何人もいて、その場で本人は乗客や見物人を前に身の縮む思いをしたと言う話を聞きました。
チュニジア、チュニス。滝本哲也さん
「市内中心部から放射状に伸びています」
チュニスでは路面電車のことを「メトロ」と呼んでいます。
郊外に行く列車のターミナル駅などから、基本的に6つの路線があり、運賃はおよそ日本円で20円から。乗る距離によって運賃は変ります。
地元の人々が利用するので、駅には名前が書かれていないところも多く、当然アナウンスもありません。旅行者などは路線図を見ながら、駅の数を数えてよく注意していないと、自分がどの駅で降りるのかわからなくなってしまいます。運行は頻繁で、次々に電車は来ますが市内の中心部の駅では、同じホームに違う路線の電車もやってきます。
かつてチュニスには路面電車ネットワークがあったものの一度廃止され、1980年以降新たな公共交通機関として整備されたのが今の「メトロ」。それなのですべてが道路と共用ではなく、幹線道路の脇を並走したり、建物の間を縫うように路線が走っていたりします。
しかし当然ながら道路をまたぐ部分があるので、信号があってもそこではクルマや歩行者などが、どんどん入ってきます。渋滞のため線路の上に自動車が停止して、電車が動けない事も……また、乗客は出口の改札を通らずに、駅のプラットホームから直接線路に降りて、線路伝いで出て行ったりもします。