京都市東山区にある、清水寺のヒノキ舞台。
朝日があたる街を望んで、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。地元の朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
京都の東側、山の中腹に広がるひろびろとした境内に、国宝、重要文化財を含む15の木造の建物がある清水寺。そのほとんどが江戸時代のはじめに再建されたもので、ユネスコ世界文化遺産「古都京都の文化財」の1つとして日本中、そして世界中から観光客が訪れます。
昔から思い切って決心する時に使う言い回し、「清水の舞台から飛び降りる」。
この語源となった、本堂の舞台は、4階建てのビルに匹敵する崖の上にあります。
平安時代から雅楽や能、狂言、歌舞伎、相撲など、さまざまな芸能が奉納されてきました。崖の下の地面から巨大な欅の柱を並べ、釘を一本も使わず組み上げられていて、世界に誇る日本古来の建築技術が駆使されています。
海や漁場から遠いため、昔の京都では、魚を生で食べることは、ほとんどありませんでした。
そのため塩や味噌、しょう油などで味付けをし、保存食として加工する技術が発達してきました。
また香辛料の一種としての「山椒」は、京料理に欠かせないものとしてポピュラーです。早春に芽吹く木の芽は辛みを効かせるために使います。いわしの稚魚「ちりめんじゃこ」と「山椒の実」を混ぜ、しょう油と酒で煮たものが「ちりめん山椒」。
ごはんに添える食べ物として、小鉢に入れて、食卓に出されることがほとんど。
おかずと一緒に食べても、甘辛くスパイスが効いてごはんがさらにすすみます。
「合わせ味噌」のお味噌汁と一緒にどうぞ。
戦後にポピュラーになった、比較的新しい食べ物だそうですが京都の佃煮店、漬物店、そして料亭などでも、お土産として人気の一品となっているようです。