タイ北部の古い街、チェンマイ。
山の上の寺院から街を見下ろして、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。屋台の朝ごはんを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
バンコクの北、およそ700キロに位置する、タイ第2の都市チェンマイ。タイ北部の言葉で「新しい街」という意味があります。13世紀の終わり、当時のランナー王朝の最初の王がピン川のほとりに建設した都市がチェンマイ。寺院の建築や仏像の様式、工芸などの分野で独自の「ランナー文化」が栄え、今もなお、伝統が生きています。
旧市街地の北西にそびえる標高1,080メートルのステープ山頂。ここにある寺院、「ワット・プラ・タート・ドイ・ステープ」は、そのランナー文化の代表と言って良いでしょう。大きな塔の部分は金色に輝き、チェンマイの街を一望できる展望台にもなっている観光名所です。
午後にスコールがある、雨期の今の季節には、朝早くから動いているケーブルカーに乗って早めに山頂にやってくる観光客も多いようです。
タイ北部では「マン」という料理用語が大事なキーワード。これはタイ語で「コク」があるという意味です。辛さだけではない「深み」が感じられるのがチェンマイ料理の特徴です。代表的なものは、「カオソーイ」という麺料理。香辛料とココナッツミルクを混ぜたカレースープに、ゆでた麺やカリカリに揚げた麺が入っています。見た目よりもマイルドな味わいで、専門店や屋台、そしてフードコートなど、チェンマイの街では、どこでも食べられる安くて気軽な一品です。
とはいえ麺の種類、香辛料をベースにしたスープ、そしてトッピングはお店によってさまざまなので繁盛しているところを探しましょう。ビニール袋にストローをさしたハーブ・ジュースと一緒にどうぞ。
近隣のミャンマーやラオスなどでも広く食べられていますが卵を使った麺を使うところがチェンマイ風の特徴だそうです。