今この瞬間にも、世界は動いています。
首長を選ぶ直接選挙。
揺れる政治で、国のシステムも変わるため、混乱するのは、世界共通のようです。
ブラジル、サンパウロ。吉川真由美さん
「5日に行われる大統領選挙の行方が不透明です」
ジルマ大統領の支持率が40%の理由の1つは、貧困層家族への支援金の配布があります。
人口の約8.5%が極貧層だと言われているのですが、ジルマ大統領は、ブラジル経済が発展してきたのですが、まだ絶望的な貧困に苦しんでいる子供がいるとして、これからの施策に投資して貧困を根元からなくすことができると語っています。
このままの支持率を保った場合、第2回投票にはジルマ氏とマリナ氏の2人の女性候補者が残ることになります。アエシオ氏に投票しようと思っていた人がどちらに投票するかはわかりませんが、確かにジルマ大統領への不満の声は少なくありません。
大統領になった経験のあるジルマ氏が選ばれるか、未経験のマリナ氏が選ばれるかは判断しにくいところです。
中国、香港。富柏村さん
「香港のトップである行政長官選挙で、抗議活動が広がっています」
香港の行政長官選挙で、普通選挙実施を要求しています。
「2017年の普通選挙実施は約束されたが、候補者選定の段階で『北京寄り』の候補者しか立候補できない」という状況に対する若者を中心にした反発です。
世界的金融機関が集まるセントラルという地域の占拠は、数年前のウォール街占拠にヒントを得た発想で、「香港名物となっている、何万人規模の市民デモでの主張では要求が通らない」というのがそのアイデアです。
当初はこうした運動が、無謀、やりすぎ、どれだけの効果があるか、人民解放軍が出動したら天安門事件の二の舞、と疑問視する世論も大きかったのですが、フタを開けてみると、警察がカラシスプレーや催涙弾を使い、武装警官まで登場し、若者を中心とした、道路封鎖組の市民を強制的に排除しようとした結果、世論が運動する若者たちに対して、かなり同情的になってきたと言えるかもしれません。
初日の攻防で警察が批判を受けて、翌日からは静観の姿勢を見せ、また、連休ということもあり、道路占拠に加わる市民の数が多くなり、道路占拠もセントラル、コーズウェイベイ、尖沙咀など香港の主要繁華街に広がりました。
そこは、まるで解放区で、BBQや、ダンス、ゲームなどお祭りのようです。
外からは香港の都市機能がマヒしているようにも見えますが、交通手段もMTR(地下鉄)や、路線バスのほかに路線変更などお手の物のミニバス網などが充実しています。
路線バスの主要路線はこの道路占拠で通常運行できないものの、通勤帰宅ラッシュで地下鉄が混雑する以外は大きな支障がなく、大型台風が来てもSARSの時でも柔軟に対応する都市機能と住民のパフォーマンスの良さが顕著に表れていて、生活面では大きな混乱はあまりありません。