世界的に夏時間も終わり、いよいよ本格的に秋から冬へと季節が動きます。
あの国ならではの「鍋料理」。どんなものがあるのでしょうか?
今朝も2カ国をコネクト。
フィンランド、エスポー。遠藤悦郎さん
「盛んです」
フィンランドの鍋料理は日本のように鍋を囲んで皆でつつく、というタイプの食べ方ではなく、それぞれお皿に盛りつけていただきます。
鍋料理は、やはり肉が中心。ごく一般的なお肉の煮込み鍋料理であれば、堅めで酸味のあるライ麦パンあるいはジャガイモ(茹でたものあるいはマッシュポテト)といただきます。牛/豚などのお肉を、ニンニク/バター、塩コショウなどで味付けして、数時間時間煮込むのが普通でその後人参や、ブロッコリなどの野菜を加えて、味を整えるケースが多いようです。お鍋を火にかけて煮る他に、鍋ごと大きなオーブンの中に入れてじっくり煮込むスタイルもあります。料理によりますが、コケモモ(リンゴンベリー)などのベリーのジャムをそえることも多いです。
郷土料理としてはヘラジカなどの肉も使いますし、北極圏ラップランド地方であればトナカイの肉も多く使います。
地方によってはさまざまなバリエーションがあり、たとえば煮込んだお肉に加えて「ムスタマッカラ」と呼ばれるブラッドソーセージ(豚の血入りの挽肉や内蔵を使ったソーセージ)を入れるところもあります。フィンランドといえばサーモンスープも有名ですが、これも鍋で煮込んで作るので、広い意味では鍋料理といえるでしょう。
やはり寒い冬は、あたたかい鍋料理、それも多少油っぽいくらいが身体があたたまってちょうど良いようです。
タイ、バンコク。山崎幸恵さん
「色々ありますね」
一説には日本に留学経験のあるタイ人が、日本のスキヤキを気に入って考案した料理だと言われています。
名前の由来はスキヤキですが、日本のスキヤキの面影はあまりなく、むしろしゃぶしゃぶ寄りな気がします。鍋にお湯を沸かして、野菜やシーフード、肉などの具を入れて、辛いタレにつけて食べます。
タイスキの有名店は、日本にも進出しているコカやMKなどいろいろありますが、店によって工夫を凝らしていて、店によって味が結構違います。このタレにニンニクやライム、唐辛子を入れて、好みの味にしていただきます。最後に残ったスープには、ご飯やうどんを入れるところが、日本の鍋に近いと思います。ただ、鍋に各自の箸をつっこむのはNG。不潔だと感じるようです。具を引き上げるには、それぞれに用意されている小さな金網を使います。タイ人は本当にタイスキが大好きで、どこのショッピングセンターにも必ず一軒はタイスキレストランが入っています。
中でもウケているチェーン店は「回る」んです。
スキヤキの「スキシ」、しゃぶしゃぶの「シャブシ」というお店では、回転寿司のように店内にレーンがあって、そこに白菜やネギ、肉などの具材が載せられて流れてきます。客席には一人用の鍋が用意されていて、各自好みの具をとって入れるという仕組みです。スキヤキとしゃぶしゃぶは回るものだと思っている人もけっこういそうです。近所の方が日本に行ってきて、「日本のスキを食べたけど回ってなかった!」と言っていました。
もう1つ、有名なタイの鍋料理といえば、「チムチュム」があります。発音がかわいいんですが、「チム」はタレにつける、「チュム」はスープにさっと通す、という東北地方の料理です。
ナンプラー、こぶみかん、唐辛子、レモングラス、などハーブが効いている出汁がからんだスープはおいしいのですが、とても辛い!具材は白菜、空芯菜、ニンジンなどの野菜や、肉、シーフードなんですが、レバーやハツなど、内臓も入ります。出汁のハーブの効用なのか、辛さのせいなのか、臭みはあまり感じず、体がぐーっと温まる感じがします。
タイは常夏の国ですが、北のほうでは気温が10℃くらいになることもあり、凍死する方もいるくらいですので、こういう鍋料理で温まります。