11月16日は、1876年に日本初の官立幼稚園が神田に開園したということにちなんだ「幼稚園記念日」です。
さて、あの国の幼稚園事情はどうなっているのでしょうか?
今朝も2カ国をコネクト。
フランス、パリ。ドゥヴィアンヌ園子さん
「2歳半以上でオムツが取れていることが原則です」
フランスでは幼稚園から義務教育になっています。幼稚園と小学校が同じ場所にあることが多いです。日本と大きな違いは授業時間で、朝8時半から午後4時半まで。3、4歳児は午後に昼寝をさせてくれます。授業の時間帯は小学校も同じで、幼稚園児と小学生が同時に登校し、終業も同時。送り迎えの親たちで朝と夕方は門の前が人だかりです。
0歳児から2–3才まで預かってくれるのが保育園で、まだ需要を満たしていないといわれていますが、公営の保育園もたくさんあり家族手当で援助も受けられます。
保育園は午後7時まで預かってくれます。
この午後7時まで預かってくれる、というシステムは連動していて、幼稚園や小学校では、午後4時半からは教師ではない、大学生のアルバイトが子供を監視し、小学生には宿題をさせる役目をします。働くお母さんにとっては必要不可欠なシステムで、この教育制度がフランスやヨーロッパの女性の就業率を高くしているのだと思います。
ハンガリー、ブタペスト。梅村欣世子さん
「今年法律が改正され、3歳から幼稚園に通うことが義務化されました」
フランスと同じようにハンガリーでは3歳以上の子供が通うOvoda(幼稚園)とそれ以下の子供を受け入れるBölcsőde(保育園)があります。産休は最長で子供が3歳になるまで取ることが出来るので、多くの女性が子供を幼稚園に入れて職場復帰します。幼稚園には担任以外にも言語療法士や心理士が常駐し、障害/問題のある子供にはすぐ対応します。また幼稚園の時間内にスポーツや楽器などの習い事ができたり、働くお母さんのために延長保育もあります。スポーツや音楽、外国語に特化した幼稚園もたくさんあります。シュタイナー教育やモンテソッリー教育の幼稚園もあります。
ハンガリーで最初の幼稚園は1828年に設立されました。また、作曲家コダーイはコダーイメソードと呼ばれる音楽教育システムを作りました。童謡や民謡を歌いながらリズムや音階を身につけるシステムでこのように古くから幼児教育の重要性を認めているからだと思います。幼稚園教諭の質がよく、子どもの才能、可能性を見抜く目が優れているので、例えば音楽やスポーツの才能のある子を早期教育し、成長して国際的に活躍することもあります。とはいえ、ハンガリーの幼稚園はガチガチに勉強をする場ではなく、あくまでも遊びが中心で、遊びながらそれぞれの子どもの長所を引き出す場となっています。