今週は、障害のある子どもたち、難病の子どもたちの手形を集めてひとつの大きなアート作品を作る「ハンドスタンプアートプロジェクト」のHidden Story。
ハンドスタンプアートプロジェクト
「ハンドスタンプアートプロジェクト」。
代表を務めるのは永峰玲子さん。
5歳の女の子、楓音ちゃんのお母さんです。
5年前に娘が誕生したんですが、出産してすぐに全身が硬直する痙攣にみまわれまして、大きな病院に搬送されました。検査の結果、難治性てんかんのうち、最も重度な大田原症候群であると診断されました。「一般的には一生寝たきり。この先、座ることも、歩くことも、物を見ることも、ママと呼ぶこともないかもしれない」と、医師から絶望的な言葉を突きつけられまして、深く落ち込んだこともありました。
しかし、同じような障害児を育てているママとの出会いがあり、悩みや苦しみを共有することで徐々に笑顔になっていく自分がいました。つらいのは自分だけじゃないんだ、仲間がいることは心強いんだ、ということに気づきまして。
2013年の夏ごろから、永峰さんの周囲で障害のある子どもたち、難病の子どもたちで「何かをやりたい」という話があがっていました。
今年1月、その想いが形となって動き出します。
去年の暮れに、やはり、てんかんがあったりするお子様で、私のブログを見て「会いたい」って言ってくれて。
2回目の(お会いした)時ですね、お茶をしながら「オリンピックで何かできないかな」というお話があって。それで私もそういった構想が半年くらい前からあったので「何か手形でできるんじゃない?」というところから始まって、立ち上げました。
目指すのは、2020年、東京オリンピック、パラリンピック。
その開催までに多くのハンドスタンプ=手形を集め、それを組み合わせて、ひとつの大きなアート作品を作る。
「ハンドスタンプアートプロジェクト」は、そんな目標を掲げて走り出しました。
たくさんの方に賛同していただきまして、シンガーソングライターのエバラ健太さんが障害児ママに書いてもらった「お子さんへの手紙」というものを元にテーマソングを作ってくださったんですね。
今年の夏は、エバラさんと各地でチャリティライヴを行ないながら、ハンドスタンプの活動も広めていく、ということであったりとか。
プロジェクトのFacebookページには、すでに参加している子どもたちの写真と手形が掲載されています。
ひとりひとり、いい表情で、手形からは、生きる力が伝わってきます。
みなさん、障害があると「大変なんじゃない?」とか「かわいそうだね」と思われているかもしれないんですけども、実際、私も知らなかったんですけど、みんな、イキイキとしていて、毎日楽しみながら生活しているんですね。
「そういうことも、みなさんに知っていただく機会になるのかな」と思いまして、このプロジェクトをやって良かったなと思っています。
1つ1つの手形は小さいんですけど、本当に、ご家族の愛だったりとか、その子の生命力の強さを感じるので、それがたくさん集まってできた絵は力強いものになると思うし、日々の生活の中で、だんだん、親御さんも毎日のことで精一杯になってしまって、夢とか目標とかって、そういうことを忘れてしまいがちなんですけど「どんな子でも、そういうことを持って良いんだよ」っていうような感じで、ひとつの希望としてハンドスタンプがあったら良いなと思って始めました。
1つの手形の向こうには、その手を愛する家族がいる。
そして、頑張っているその手が何よりも多くのことを語っています。
そんな手形を日本全国、さらには世界から集めて巨大アートを作り、2020年、東京オリンピック、パラリンピックで掲示したい。そこにはこんな想いも込められています。
アートを作ったあとも、まずは東京オリンピック、パラリンピックの会場でその絵を掲示することで、これだけ頑張っているお子様がいることをまず知ってもらって、「だったら世の中変えなきゃいけないよね」じゃないんですけど、「福祉のことも、みんなで考えようか」というところに持って行けたらと思ってまして。
ハンドスタンプアートプロジェクトは世界中から集まるプロジェクトなので、大きなコミュニティになりますよね。で、その中で、みなさん困っていることってたくさんあると思うので、そういった意見を吸上げて、みんなで世の中を変えていけたら良いなと思っています。
困難な状況で頑張る子どもたちの小さな手の中に夢はある。
それは、その手が、世の中を変えること。
「ハンドスタンプアートプロジェクト」の挑戦が 続きます。
今、このプロジェクトでは、募金箱を設置してくれるお店を募集しています。
「ぜひ、うちで」と思われた方は、ぜひ、お問い合せをお願いします。
また、「ハンドスタンプアートプロジェクト」の Facebook ページではすでに集まっている手形を見ることができます。