ブラジル南部の都市、ポルト・アレグレ。
広大な湖に向かって、彼女は大きく背伸び。
そして心に決めました。甘いパンケーキを食べよう。
だって、何かいいことが起こりそうな、そんな気がするから。
南側にあるパトス湖を経由して、大西洋に出ることができます。
ポルトガル語で「陽気な港」という意味のポルト・アレグレ。
18世紀半ば、ヨーロッパから移り住んだ人々を中心に栄え、今ではその子孫を中心におよそ140万人が暮らしています。草原が多く、昔から牧畜がさかんなポルト・アレグレ周辺の住民はポルトガル語で「ガウーショ」「ガウーシャ」(カウボーイ/カウガール)というニックネームを持っています。
開拓時代から受け継いだ「質実剛健」の精神と、自らを犠牲にして他人に尽くす行動が、ブラジル国内では一目置かれています。それがポルト・アレグレ出身者の誇りとなっているようです。
ドライフルーツ入りの甘いパンケーキ「パネトーネ」。
オリジナルはイタリアで、クリスマスのケーキとして知られています。
イタリアからの移民がもたらした食文化の1つで、今ではブラジルが世界最大の「パネトーネ」消費国とされています。
パネトーネ菌という酵母を使っているので賞味期限が長く、生地がしっとり柔らかいまま、あまり硬くならないのが特徴。クリスマス前はもちろん、クリスマスが終わってもクリスマスツリーが片付けられるぐらいまで、売られています。
ブラジル産の「パネトーネ」には、イタリアと同じようなオーソドックスなタイプ以外に、チョコレート・チップ入りや、「ゴイアバーダ」という、グアバを砂糖で煮詰めたものが入っているものなど、さまざまな種類があります。
朝は自分が食べるだけカットして取り分け、ブラジルのコーヒー、もしくはマテ茶と一緒にどうぞ。
とても甘いパンとコーヒーだけというのが朝の定番というブラジル。
「パネトーネ」はその中で甘さは控えめなのだそうです。