明後日、1月18日は「お年玉つき年賀はがき」の抽選日です。
メールやSNSがコミュニケーションの主役となっても、年賀状を交換するという文化はまだまだすたれてはいません。
さて、そうした「ポストカード事情」。あの国ではどうなのでしょうか?
今朝も2つの国をコネクト。
オーストリア、ウイーン。ライジンガー真樹さん
「郵便局で10枚セット(6ユーロ20セント、870円程度)のみ販売されています」
電話や手紙に代わる安価な手段として重宝されていましたが、インターネットと携帯電話の普及により葉書は急速に衰退の一途をたどりました。
選挙案内など公的なものや、クリスマスカードなども、すべて封書で届くので、官製はがきは主に懸賞の応募などに使用されています。現在では官製はがきを購入したり、受け取る機会はめっきり減少した。
往復はがきは500枚から20,000枚までの大量発注でのみ購入可能です。
主にイベントやメッセへの招待、ビジネスの顧客宛、懸賞の応募などに使用されます。
官製はがきではないけれど、観光産業の盛んな国なので、オーストリアの雄大な自然や歴史的建造物、音楽関係の史跡、グルメ等をモチーフにした絵葉書は枚挙にいとまがありません。
そのせいか、旅先でスマートフォンを使って撮影した写真のデータを、メッセージとともに郵便局に送ると、すべて印刷されて家族や友人に届く、e-Postkarte(電子はがき)というものの人気が高まっています。
アメリカ、ニューヨーク。中村英雄さん
「1枚34セント(40円程度)の官製はがきは、あることはあります」
アメリカの郵便局は、深刻な財政危機にあって、2011年9月の段階で55億ドルの債務不履行があり、一般企業ならいつ倒産してもおかしくない状態です。
不振の理由は、インターネットの普及による通常郵便の不要化、かさむ人件費、民間配達ビジネスの台頭などが上げられます。
そんな中、特に、郵便ハガキの存在はアメリカでは非常に薄いです。
日本のように「懸賞応募」「読者アンケート」「ラジオのリクエストカード」など、はがきを専門的に使ったコミュニケーション文化がもともと無いため、アメリカではハガキを目にすることがあまりありません。
ハガキが舞い込むというのも、近所のピザ屋の宣伝とか、歯医者の定期検診のご案内程度で、まず、ありません。
記念切手はあっても「記念はがき」などは発行されません。
年賀状みたいな、1枚の小さな空間に花開く個性的なデザインや文章は、名刺と同様、日本の書斎・文具文化の一角をになっていると思います。名刺の方は、日本式ビジネスが見直されて、アメリカでも必須アイテムになりつつありますが、ハガキは復活の兆しがないと思います。