2015/3/13 東日本大震災への関心

東日本大震災から4年が経ちました。 復旧、復興についてはまだまだ道半ばというのが現状。 そしてあの時のことが風化してはいないか、とも感じます。 さて震災直後に真っ先に支援してくれた国と地域ではどうなのでしょう。 「東日本大震災から4年が経過した今」。 今朝も2つの国と地域をコネクトしてお送りします。

今、東日本大震災への関心はありますか?

震災当日からOperation Tomodachi「トモダチ作戦」を展開した
アメリカ、ニューヨーク。中村英雄さん
「年々減ってきています」

今年の3月11日でもあまり話題にならなかったのでしょうか?

街頭や近所の商店、飲食店で知り合いのアメリカ人と雑談する中で、「東日本大震災」話題が出ることはまずありません。

話題を切り出せば、サービス精神旺盛なので「そうだよなあ。あれから4年。早いよなあ。あれはひどい災害だった。どうだい少しは復興してるのか?」などと心を寄せてくれますが、実際、被災地の最新情報などはほとんど持っていません。

関心の高い人の心配事は「フクシマ」の原発事故による放射能被害です。
原発の老朽化と自然災害やテロに対する脆弱性はアメリカでも大きな問題なので、意識の高い人は、この話題に集中します。

ニューヨークは2012年秋、ちょうど日本の震災から1年半後に「ハリケーン・サンディ」の水害を体験しました。沿岸地方で家を失った人も数多く、とくにクィーンズのロッカウェイ砂州上の住宅地は水害が元で町の一角が全焼するという、東北の津波被害にも似た過酷な経験をしています。言い方は悪いのですが、テレビで見ていた「東日本大震災」にも近い自然災害をもろに実体験したためにニューヨーカーたちの恐怖心や怒り、そして災害復興への意欲は、すべからく自分のコミュニティに注がれてしまった感もあります。

時が経って記憶が薄れ、そこに上書きされてしまったという感じでしょうか?

所詮ニューヨーク市民にとっては「外国の話」なんです。スマトラ沖地震、ハイチ地震、ニュージーランド地震、みんな同じ。同等に思いを寄せて、義援金を集めて、なんとか被災地のためになろうと行動していました。しかし、時が経つと、新しい国内外や市内の問題も次々に現れ、なかなか過去の悲劇にばかり関わっていられないというのも正直なところです。

自然災害の復興は、やはり被災国がリーダーシップをとって着実かつ誠実に進めて行くのが本筋。どうしても諸外国の援助が必要な場合は、その意思をはっきり示した方がよいと思います。

「困っている」とわかったらニューヨークの人々もまた新しい形で手を差し伸べてくれるはずです。

「大丈夫!ぼくらだけでできるから」と折目正しくしている限り、アメリカのような国は「ああ、日本は1人でできるんだね」と言って他の困っている国に目を向けてしまうのです。援助のおねだりはいけないと思いますが、本当に困っている部分があったら、素直に手をあげて声に出してみるのもいいのではないでしょうか?

今、東日本大震災への関心はありますか?

世界中で最多の義援金をさまざまな方法で集めて送ってくれた 台湾、台北。片倉佳史さん
「まだあります」

どういう形で関心を持ってくれていると感じますか?

今でも「日本頑張れ」と声を掛けられることがあります。
台湾の人々は友人を助けたことを「当然のこと」と思っています。

震災は不幸だったが、これによって新しい日台の絆が生まれたと考える人も多い。 また、日本人が「ありがとう」というメッセージを発するときに、台湾の人たちは日台友好という気持ちで受けとめることが多いようです。