時代の気になるキーワードを解説
2018.01.02
人と犬が共生を始めたのって3万年から4万年前と言われてるわけですが、
その時の人の生活というのは狩猟採集をしていてまだ移動していた時なんですね。
そうすると狩りに行くとか村全体が移動するとかという時に人と一緒に動かなければならない。
その時代に人が犬をリードでつないで散歩しているように移動するとは思えないので、
人からのシグナルを読んでいる犬自身が例えば今は左に行くとか、右に行くとか、判断してついてきたものがいただろうと。
そうすると狩りにも役立つだろうし荷物の運搬にも役立つだろうと。
あるいは護衛する時に周りの天敵が攻めてきた時に犬たちというのは飼い主を守るために戦う事もやってくれただろうと。
人と合わせた生活をするというのは人にとって狩りの場面でも天敵から身を守る場面でも役に立っただろうと思います。
おそらく共生の始まりの時というのは特に絆はなかったんじゃないかと思います。
その作業する際にお互いのシグナルを読みあってお互いコミュニケーションがうまく取れるというのが大前提で
共生が始まったと思うんですけど、中で使ってたシグナルに目を合わせるというものがあったんです。
目を合わせるというのは人にとってはもちろん威嚇、怒ったときに相手の顔見ながら怒る時もあるんですけど、
もう1つ愛情を伝えるという機能があって犬はうまくそれを使い始めたんじゃないかと思ってます。
そうやって犬が視線を使って人とコミュニケーション取るようになったので
人と犬の間には視線を介した絆が生まれてきたんだろうと思ってます。
犬から見つめられると人の方には絆のホルモンと言われるオキシトシンが分泌されることがわかりました。
その絆のホルモン、オキシトシンが分泌した飼い主さんは犬をより可愛がることも分かってきて、
可愛がられると犬の方もオキシトシンが出て、お互いが思いやることで両方にオキシトシンが出て、
そこにポジティブループのようなお互いオキシトシン分泌を高めるような関係が生まれてくると。
それは生物学的な絆の形成につながっていると思います。
絆を作ることによって1つできることと言うのは、家族になっていくので、犬として家族の一員になるわけですね。
そうすると家族を守るようなそのテリトリアルと言うんですが、防御的な攻撃が生まれやすいと。
知らない人が嫌だとか排除するような行動は確かに出てきます。
この見つめればオキシトシンが出るっていうのも、決してそのすべての犬ではなくて
関係性ではなくて親和的な関係の犬のみオキシトシンが出てくるので
歩いている犬を見つめれば全て仲良く慣れるという訳ではないという事がひとつですね。あと、犬の行動って逸話的に色んなことが言われてるんですけどまだまだわからないことが多くて、
例えば人の感情が本当に読めるかどうかと言うのは現在研究されていて、
飼い主さんが泣くと慰めに来てくれるとか落ち込んでると側に寄り添ってくれるというんですけど、
どこまで犬がわかっているのかは今後の研究課題だろうと思っています。