今朝は、NPO法人 Safe Kids Japan、理事の 大野 美喜子さんにお越しいただきました。
Q Safe Kids Japan、いつごろ、どのようなキッカケで立ち上がった団体でしょうか?
日本では1960年以来、1歳以上の子どもの死亡原因の第1位は「事故」。「事故による傷害」は、子どもにとって最も重要な健康問題であるにも関わらず、日本では組織だった啓発活動は行われてこなかった。SKJは「すべての子どもを予防できる傷害から守りたい」と言う想いで2014年に設立された。いまは、国立成育医療センターや産業技術総合研究所、SKJの本部などと連携し、様々な啓発活動に取り組んでいる。
Q 子どもにとっての危険、、、例えば、どのような場所を指しますか?
実は、家の中に子どもにとって危険な場所がたくさん存在する。例えば、時計、リモコンなどに使われているボタン電池を子どもが飲み込み、食道や胃に穴が開いてしまう事故が世界中で報告されている。また、子どもにとってはすべて遊具のようなもの。よじ登れる場所には登ろうとする。例えば、子どもがタンスによじ登り、転倒したタンスの下敷きになって重傷な事故になるケースもある。
Q 3月末まで、『自宅のベランダの写真』を募集されていたそうですが、これも危険を事前に把握するために?
【ベランダ1000】というプロジェクトで、子どものベランダからの転落を予防するため、一般家庭のベランダに置いてあるモノや使い方などの情報と、実際のベランダの写真を投稿してもらっていた。
Q 期間中、どのような写真が集まったのでしょうか? 傾向は?
集まった写真を見てみると、・ベランダの奥行きが狭くて、エアコンの室外機を置くと、子どもがよじ登って転落してしまう可能性があるベランダがある。ベランダの奥行きが狭い所と広い所があるベランダがあり、その場合、広い場所を有効に使えるように、狭い所にエアコンの室外機が設置されており、子どもが転落しやすい状況になっていること。柵部分を足掛かりにして登れてしまう柵があること。室外機以外には、ゴミ箱や植木など足掛かりになるものが置かれていたこと。...といったことが分かってきた。
Q では、どのように対策をすれば良いのでしょうか?
具体的には...
・足掛かりになるものは置かない。
・よじ登りを防ぐため、室外機は柵から60センチ以上離す。
・柵自体に足掛かりがある場合は、透明なアクリルの板を設置するなどして、
足掛かり部分に足が入らないようにする。
・ベランダに出ないように、子どもの手が届かない高い位置で二重ロックをする。
...などが考えられる。
今後は、子どもがどんな条件だとよじ登れてしまうのかを、実験を行うなどしてデータに基づいて把握し、対策に活かすことが重要。
Q 子どもに優しい街や社会になるために、私たち大人ができることはなんでしょうか?
子どもが思いっきりリスクにチャレンジでき、失敗しても重傷なケガをしたり死亡したりしない社会が子どもに優しい社会ではないかと考える。そのためには、事故の情報を社会で共有し、予防策をみんなで考えること、子どもの安全に配慮した製品を選択することなどが、私達ができることだと思う。
【ベランダ1000】プロジェクトのより詳しい情報や、Safe Kids Japanについては関連のウェブサイトを番組サイトにリンクを貼ります。また、団体ではあなたの街にある「危険な場所」に関する情報提供も呼びかけられています。思い当たる方、ぜひご協力をお願いします。NPO法人 Safe Kids Japan