ヴァレンタインズデイがある今月、多くの人が手にするチョコレート。甘さの裏に、かなり苦い真実が隠されています。それは、児童労働の問題。その問題を解決すべく生まれたのが"チャイルドレイバーフリー・チョコレート"。  

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「"チャイルドレイバーフリー"というのは日本語にすると、『児童労働のない、児童労働によって作られていない』という意味になります。児童労働というのは、15歳未満の子どもが教育を受けずに働くことや、18歳未満の子どもが有害で危険な労働に就くということをさします。実際には、国際条約や各国の法律で禁止されているんですが、今まだ世界で1億6000万人の子どもが児童労働をしているという状況です。チョコレートの原材料、カカオの生産地でも多くの子どもが働いていて、カカオの生産量、世界1位と2位のコートジボワールとガーナだけでも、220万人以上と言われています。」

お話をうかがったのは、"チャイルドレイバーフリー・チョコレート"を手がけるNPO法人『ACE』の事務局長、白木朋子さん。ACEでは、日本がカカオを多く輸入する西アフリカの国、ガーナを2008年に現地調査。その翌年から活動を続けてきました。

「一番ひどいのは、お金で売買されたり奴隷のような状態で子どもが働かされる、という状態がいまだに起きているということです。ガーナの北部はカカオが栽培できない気候なので、たくさんの労働者の人たちが出稼ぎで来ているんですが、そのなかで子どもだけが親から引き離されて労働者として使われるということが起きているんです。そういう子どもを救出する、ということも今まで経験していますが、子どもが人身売買されているのを見つけるのは非常に難いんです。アフリカの村って基本的に子どもがたくさんいますので、見ただけではわからない。私たちがその子どもを見つけたときには、日中、他の子どもが学校に行っているはずなのに、牛を連れて放牧をしていたんです。朝ごはんを食べたきり、お昼ごはんも食べないで水も飲まずに、炎天下のなか、小さな体で大きな牛を連れて歩いていました。」

NPO法人『ACE』が活動するのは、ガーナ、アシャンティ州の村。その村で児童労働をなくし、そこで作られたカカオを使えばチャイルドレイバーフリーのチョコレートができる!しかし、大きな壁がありました。

「カカオ豆の状態で日本に輸入するということがすごく難しかったです。ガーナ政府がカカオの輸出入をすべて管理しているので、特定の地域を指定してカカオ豆を輸入するというルートが確立されていなくて。私たちの村で作ったカカオ豆というのはフェアトレードの認証もついている豆なんですけど、そういった特別な豆は一般の豆とは混ぜないで、別の倉庫におさめてそこから輸出しないといけないんです。本来は指定された倉庫に入れなければいけないんですけども、別の倉庫に入れられてしまって、使いたかった豆が使えなかった、ということもありました。ようやく去年、2016年3月にカカオ豆の状態で日本の港につく、ということが実現しました。カカオの輸出入もACEはできないので、立花商店さんというカカオを専門に取り扱う商社さんの協力を得ていて、立花商店の方とやりとりをしてきました。最初の輸入が完了するときには村の近くに1ヶ月くらい泊まり込んで、実際にちゃんと豆が指定したルートで入るかどうかを見てくださっていたり、そこまでやってくださっていたというのをちょうど最近知りました。」

村の近くに泊まり込み、指定されたルートでカカオ豆が運ばれることを確認。児童労働によって作られていないカカオ豆をようやく日本に運ぶことができました。輸入したカカオ豆をチョコレートにするのは、ショコラティエ パレ ド オールの三枝俊介シェフ です。

「三枝シェフがカカオ豆からチョコレートを作る"ビーン・トゥ・バー"の工房を清里にオープンされたのが2014年11月だったと思うんですけど、豆からチョコレートをつくることを今後やっていこうということをお話されていたので、ACEの活動をご紹介して、『日本に豆が輸入されたらぜひ使いたい。』ということはおっしゃっていたんです。ほんとは2015年に豆が入ってくる予定だったので、チョコレートをつくりましょうという話が進んでいたんですけど、カカオの輸入が実現しなくて、やっと2016年3月にカカオ豆が日本に到着して、そのあとから商品づくりに着手していただきました。」

2009年にガーナで活動をスタートしてから7年。『チョコレートバー』と『ボンボンショコラ』。2種類の"チャイルドレイバーフリー・チョコレート"がついに完成しました。プロジェクトを進めて来た白木朋子さんに最後にうかがいました。活動のなかで出会った子どもたち、どんなことが心に残っていますか?

「一番最初に思い浮かぶのはゴッドフレット君という少年で、私たちのプロジェクトで学校に通い直すことになったんです。村の中学校の最初の卒業生は11人いるんですけど、そのひとりです。昨年の10月にガーナに行ったとき、ゴッドフレット君をはじめ5人が村に戻って来て話を聞いたんですけど、ゴッドフレット君ともうひとりが、高校に進学しても親からの仕送りがうまくいかなくて学校に通い続けるのが難しいということがあったそうなんです。そのときに、私たちが村で『いかに教育が大事か』というのを話していたことや、日本から私たちが応援していることを思い出して、もっと頑張ろうと思って学校に通い続けられたと言ってくれました。私たちがおこなっている支援は本当に微々たるものかもしれないですが、こういった心のつながりが子どもたちの力となって、教育を続けたり、自分たちの人生を自分たちで切り開いて行く底力になっていると思うととても嬉しくなりましたし、日本の人たちにもそれを伝えたいと思いました。」

応援が力になり、子どもたちの未来が変わっていきます。世界的にも珍しい"チャイルドレイバーフリー・チョコレート"。その収益は、ガーナの子どもたちを応援する活動に役立てられます。ヴァレンタインの贈り物に"チャイルドレイバーフリー・チョコレート"はいかがですか?購入方法や詳しい情報はNPO法人『ACE』のウェブサイトをご確認ください。

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⚫️NPO法人『ACE』

渋谷ヒカリエ 8階
催事タイトル:「ショコラZAKKAフェスティバル」森へのチケットチョコレート
開催期間:2017年2月3日~14日

カカオ農園からチョコレート工場まで、オーガニックはフェアトレードにこだわりラブの詰まったチョコをお届けする、チョコレートアライアンスのセレクトショップ!カカオニブ、カカオ生産国からの手作り雑貨や、マクロビ志向のバレンタインギフトも!詳しくはACEバレンタイン特集ページ