PROGRAM COUNCIL

番組審議会

審議委員 (五十音順)
  • 林 和男 氏〔委員長〕
    ぴあ(株) 相談役 Co-founder
    番組検証の鋭さ、深さに定評。J-WAVEのスーパーアドバイザー的存在。
  • 奥貫 薫 氏〔委員〕
    女優
    CMやドラマで幅広く活躍中。女優としての光る感性に期待!
  • 片岡真実 氏〔委員〕
    森美術館館長
    ニッセイ基礎研究所都市開発部研究員、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館。2020年より現職。国際芸術祭「あいち2022」芸術監督。CIMAM(国際美術館会議)理事を務め、2020年より会長
  • 菊間 千乃 氏〔委員〕
    弁護士
    1972年、東京都生まれ。早稲田大学法学部卒。1995年、フジテレビ入社。司法試験に専念する為フジテレビを退社し、2010年、司法試験合格。現在は弁護士法人松尾綜合法律事務所にて幅広い案件を手掛けている。著書に『私が弁護士になるまで』他。
  • 佐藤 尚之 氏〔委員〕
    株式会社ツナグ 代表、株式会社4th 代表、株式会社ファンベースカンパニー CPO、一般社団法人「助けあいジャパン」 代表、復興庁復興推進参与
    1961年、東京都生まれ。コミュニケーション・ディレクターとして多方面で活躍。著書に「明日の広告」「ファンベース」など。
  • 平野 啓一郎 氏〔委員〕
    作家
    1975 年、愛知県生まれ。京都大学法学部卒。同大在学中の1998 年、『日蝕』でデビュー。同作が第120 回芥川賞を受賞する。2009 年、『決壊』で2008年度芸術選奨文部科学大臣賞、『ドーン』で第19回Bunkamura ドゥマゴ文学賞を受賞。
  • 福岡 伸一 氏〔委員〕
    青山学院大学理工学部 化学・生命科学科教授 分子生物学専攻
    専門分野で論文を発表するかたわら、一般向け著作・翻訳も手がける。
    分子生物学者としての鋭い視点で番組を検証
5月開催・第322回番組審議会報告

第322回番組審議会の概要は下記の通りです。

1. 日時

2021年5月14日(金)10:00~11:00

2.開催場所

ZOOMによるオンライン会議形式にて実施 (新型コロナ感染防止対策としての措置)

3.委員の出席

委員の総数:7名
出席委員数:7名
出席委員:林 和男 委員長 / 奥貫 薫 委員 / 菊間千乃 委員 / 佐藤尚之 委員 / 平野啓一郎 委員 / 福岡伸一 委員 / 片岡 真実 委員
局側出席者:取締役 神田 竜也 / コンテンツプロデュース局長兼編成部長  森田 太 /
コンテンコンテンツプロデュース局 コンテンツプロデュース部 高木 絹子
事務局:事務局長 久保野 永靖

4. 議題

「BITS & BOBS TOKYO」
2021年 4月2日(金)25:00~25:30 放送回 出演:長澤樹、高崎卓馬、大森南朋

5. 番組内容

番組タイトルにある「BITS & BOBS」とは「とるにたらないもの」という意味のイギリス英語のスラング。「とるにたらないけれども、人生を豊かにするのは意外とそういうものかもしれない。」というコンセプトのもと、ショートドラマとトークで構成する30分番組です。ショートドラマは、クリエイティブ・ディレクター高崎卓馬氏書下ろしによるもの。東京を舞台に女優・長澤樹演じる一人の少女が色々なBITS & BOBSなアレコレと出会うストーリーで、月替わりの豪華なキャストが相手役を演じます。
トークパートでは高崎氏が、BITS & BOBS なモノについて語り、時にゲストを迎えてお送りします。さらに番組ラストでは、書籍やアート、音楽を取扱う蔦屋書店とコラボレーションしたミニコーナーも展開。あらゆるカルチャーに精通した蔦屋コンシェルジュが、ユニークかつ新鮮な視点でBITS & BOBS なモノを紹介します。

<今回の内容>
今回は第一回目となる放送です。ショートドラマパートでは、4月のゲスト大森南朋が登場。どこの会社にもいそうな、何をしているかわからない、けれど、いるとなぜだか潤滑剤になっているような不思議な人を描いたストーリーをお送りしました。
幅広い役柄を演じ分ける演技力で、しばしば” 芸達者”と評される大森氏。今回はラジオドラマ初挑戦ということでしたが、声の世界でも魅力的なお芝居を披露。想像を掻き立てる、ラジオならではの仕上がりとなりました。
トークパートでは、高崎氏が番組をスタートするに至った経緯やコンセプトを語り、「BITS & BOBS TOKYO」という世界観を丁寧に伝えました。 蔦屋書店とのコラボレーションコーナーでは銀座店のコンシェルジュ 佐藤昇市氏が登場し、BITS & BOBS なものとして古典「枕草子」を紹介しました。多くの人が国語の教材として通る作品ですが、そこに描かれているものは「淡い紫に染まる、春の明け方の空」、「人を待つ夜の雨や風の音」、「鏡の少し曇っているのを見ているとき」など、まさにBITS & BOBSなもの。作者 清少納言の視点・感性には、私たちの生活を豊かにするためのヒントがあるのでは、という気づきのある内容でした。

6. 議事内容

≪ 「放送番組基準」はこちら ≫

<<放送法に照らしてのご指摘・ご意見>>
放送法に照らしてのご指摘・ご意見はありませんでした。

委員の皆様からいただきましたご意見をご紹介します。

  • 相当有名な方がやっているということも含めて気持ち良かったです。やっぱり声がいいし、うまいし、選曲もいいと思いました。
  • ちょっと業界の裏を感じるような、匂わせるような話はそんなに昔ほど、新しいとは思わない時代なのではないでしょうか。また、ドラマ、語り、それから、本の紹介という、30分にしては盛りだくさんな内容なので何が主役なのか振り返ってみるとすっきりしない感覚がありました。
  • 本当に大切なものは何か、心の在り方を見直しませんかという優しい問いかけが、この新しい番組にはあるように感じました。リスナーの「BITS&BOBS」みたいなものも紹介していけるようになったら、番組が双方向のコミュニケーションも取れるようになっていくと思います。
  • 雰囲気はあるんだけれども、あまり世の中全体の人に共感されるような内容ではないと感じました。他人にはガラクタかもしれないけれども自分にとっては大切なものとありますが誰の「BITS&BOBS」なのか伝えないままにドラマを作っていくと、番組として押し付けているような感じに聞こえてしまいます。そこを明確にするだけで聞こえ方はだいぶ違うんじゃないかなと思いました。
  • 言っているものに本当に価値がある、それを分析的に説明しようとしているとか、説得力を持って語っているわけではないので、結局それを「何かいいよね」と思っている感性に酔っている感じに聞こえます。 こういうことを書きたかったということとドラマが全然コネクトしていなくて、ドラマ自体がそういうドラマになっていない。すごくマイルドな差別意識というか、優越感みたいなものがあるように聞こえてしまいました。
  • 価値のないものに価値を与えていく、価値を転換していくというところは、現代アートの得意分野でもあって、いろいろつながる話はあるなと思っていたんですけれども、そういう入りやすい入り口からもう一歩先のあまりよく知らない話というところまで踏み込んでいただけていると、夜の小話としてもなるほど感が、記憶に残るというか、1つ新しいことを知ったな というとに なるのになと思いました。
  • この番組の基本コンセプトであるガラクタ・「BITS&BOBS」というものを、清少納言的なささやかだけれども良きこと、あるいは美しいことというものを取り上げていくという方針でいくのか、それとも何かもうちょっと別のものとして取り上げていくのかというところで、少し視点がよじれているような気がしました。今回のラジオドラマ部分は、ドラマとしてはいいんのですけれども、それが「BITS&BOBS」の一つの例証であるというか、例であるというふうに取り上げるということについては、非常なる危惧を感じました。

といった意見が出されました。