2008年09月12日
大人の粋の域に行きたいと粋がって
ほんのりと秋であります。夏はどうしても人間が雑駁になりがちですが、秋ともなれば人品卑しからぬ小粋な立ち振る舞いが望まれますなあ。え? オマエに言われたかねえよ? ごもっともごもっとも。そこでワタシではなく立川談四楼師匠から「粋」を学ぶことをオススメいたします。
『新・大人の粋』立川談四楼
[講談社刊/1,365円]
いやあ、これが面白い。「野暮用」だの「こなから」だの、まさに粋な言葉を配して、短い原稿で粋に解読。江戸言葉に落語家の符丁、ちょいとした人生の掟まで、こういう本はどうも説教臭くなりがちですが、それじゃ野暮。立川流ならではの毒も少々トッピングしつつ、腑に落ちる、膝を打つフレーズ多数。読みやすくてもたれなくて様子がいい。大人の、とありますが、誰が読んでもべけんやでげす。
しかし、立川流は家元含め「書き手」が多いですな。もう大評判なのでご存知でしょうが、立川談春師匠の『赤めだか』は、悔しいぐらいに面白かったものなあ。1ミリでも落語や芸能に興味のある方は必読だと念を押しておきます。
『赤めだか』立川談春
[扶桑社刊/1,400円]
TASK WATANABE| 11:06
| カテゴリー:CULTURE