2010年09月24日
TWEET SOUL MUSIC部通信
どうもどうも。
ここんとこジョン・レジェンド&ザ・ルーツのカヴァー・アルバム『WAKE UP!』ばっかり聴いてる渡辺祐です。どれぐらい聴いているかは、まあ、ワタシの個人blogかTwitter追っかけていただくとして、ここに某媒体に書いて、とある理由でボツった原稿を上げさせていただきます。
ボツった理由は内容ではなくて(笑)、手違いで原稿がかぶちゃったからであります、念のため。
明日土曜(9/25)のEditor's Noteで曲をかけますので、参考資料にどうぞ!
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JOHN LEGEND & THE ROOTS
『WAKE UP!』
「この企画を思いついたのは、2008年夏に繰り広げられた劇的な大統領選――変化と希望を掲げ、それまで奮い立つことのなかった新たな世代の活動家たちを目覚めさせることになる選挙活動の最中でした」
ソウル/R&B界にあって、音楽はもちろんのこと、ファッションやライフスタイル、そして社会的発言や行動にも注目が集まる才人=ジョン・レジェンドがこう語るのが、最高のバンドサウンドを構築するザ・ルーツと共に作り上げたカヴァー・アルバム『ウェイク・アップ!』。辣腕=ザ・ルーツのサウンドメイクをバックに、社会的メッセージが込められた70年代のソウル・ミュージックを熱く歌い上げた意欲作だ。
オバマ大統領という「希望」に光を感じながらも、直面するのは貧困や世界的な対立の影。その矛盾する現実に向ったとき、ジョン・レジェンドは、あえてその思いを表現することに挑戦し始めた。それが、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハザウェイ、ビル・ウィザースといった先達のメッセージ・ソングをあえて「今」に提示すること。2年をかけて完成したこのアルバムに寄せたコメントで、彼はこんな言葉も残している。
「かつてニーナ・シモン(黒人ジャズ・アーティスト/活動家)は『時代を反映することはアーティストの使命である』と述べていますが、これこそまさに今作で成し遂げたかったことでした」
そんな思いが凝縮したアルバムからリード・トラックとして登場したのがハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ「ウェイク・アップ・エヴリボディ」のカヴァー。この一曲がラジオから流れてきた瞬間、今までのジョン・レジェンドからさらに太く、熱く進化した“ソウル・シンガー”を感じた人も多いはず。静かに深く染みこんでくるような歌とサウンド。高い意識を持ってこそ生まれるパフォーマンスであり、文字通り、極上の“ソウル・ミュージック”となった。
変化する時代にあって、減ることのない苦境。それに自らのルーツに誇りを持って対峙する。ジョン・レジェンドとザ・ルーツが完成させた“ソウル・ミュージック”に心から拍手を贈りたい。(渡辺祐)
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