2010年10月13日

読食の秋とする。其の弐。

 読「食」と言いつつ、2冊目でいきなり「飲」。読飲の秋。なんか毒を呑むようでいけませんな(笑)。

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『対談 美酒について』
 吉行淳之介・開高健

 もう説明不要。昭和後期の文筆名人、対談上手、そして豪酒なお二人の対談本であります。タイトルにこそ「美酒」とありますが、酒の話から始まって、ブンガクから世界の旅、そして女を語る語る。面白くないわけがございません。

 これが出版されたのが昭和57年(1982年)。その頃まで棲息していた「大人」という生き物の生態もよくわかるのであります。それに比べたらイマドキの大人なんぞ、屁ですよ、屁。

 いくつも名フレーズはあるんですが、その中から。

 開高さんの「吉行さんが考える理想の酒、酒飲みはかくあるべしは?」という質問に答えた吉行さんのひとこと。

「やっぱり酒飲みは手数のかからんのがいいね」

 簡潔に完結。飲しても淫するなかれ。

 登場する酒・酒・酒の数々に、当然の如く呑みたくなっているワタシですが、読み返している内に「シェリーとアモンチラードの誤訳」なる章に行き着いちゃって、シェリー呑みたいなう。中目黒の[ヴェネンシア]行ってないなあ。シェリー専門店です。旨いです。

 おっと、気づいたら1冊目も2冊目も表紙は和田誠さんでした。トライセラトップスのファンも、レミパン・ファンもぜひどうぞ。

TASK WATANABE| 15:48 | カテゴリー:CULTURE


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