2006年04月24日
【第4回】「築地の朝めし」 ととや
月曜の場内は立ち入り禁止!
月曜の築地は、気合いの乗りがいつもと違う。休養十分な、労働者諸君が、親のかたきを見つけるような目で、立ち働いていらっしゃる。こんな日は、メシだけ食いに来る軟弱者は、“場内立ち入り禁止”が築地ルール。
まずは波除神社でお参りし、市場に背を向け晴海通りに出て左折。1分もしないうちに、鶏の名店「ととや」がある。朝は9時から開店だが、早くも先客、ビール。お酒は1本だけよ、のお客さん。いつも不思議に思うのだが、朝からお酒を飲んでる方は、買出し後に朝寝をなさるのか。それとも、希少なエネルギー源で、朝の習慣なのかしらん。
焼鳥丼は1,000円。
第4回 築地で鶏肉? でも、うまい「ととや」
築地といえば、新鮮な魚介類を思い浮かべる人が多いだろう。間違ってはいない。が、市場で働く人だって人の子、魚ばかりでは飽きてしまう。築地には、魚を食わせる店が多い。その次に多いのは鳥だろう。焼肉屋は少ない、たぶん2軒くらい。しかも朝からやっていない。
で、鶏の名店「ととや」。店に入ると、レジの前に鎮座まします婆さん一人。注文取り、配膳、勘定は婆さんの担当。多少耳が遠く、注文は“ゆっくり、はっきり、大きな声で”伝えなきゃいけない。そうしないと、何度も注文する羽目になる。不思議と、市場の人は1回で注文が通る。
昼のメニューは、朝の9時から
待つことしばし。5切ればかりのモモ肉が香ばしく焼きあがった「焼鳥丼」が出てきた。この中に、一切れだけ、「ボン」が入っている。これはおっぽの肉、脂がよく乗っている。全部「ボン」だったら50代にはキツイが、一切れだったら大丈夫、うまい。市場の店にしては、味付けがあっさりとしている。甘いタレ、辛いタレをどっぷりつける焼鳥はだめだ。素材をごまかそうとしている。ここのはあっさりでいい。
でも、客のおじさん、「白焼きとビール、白焼きは味付け濃い目にして!」と。すると注文係の婆さん、聞こえているのに取り合わない。結局、「普通の白焼きでいいや」、ということに。婆さん、本当にマイペースだ、店の味に自信がなきゃできないね。で、お肌はツルツル。鶏のコラーゲンのせいか、マイペースな人生のせいか。
ととや
住所:中央区築地6-21-1
電話:03-3541-8294
営業時間:9:00〜14:00、17:00〜21:00
定休日:日曜祭日