2006年04月27日
【第6回】「築地の朝めし」 はいばら1号店
雨の築地はどうなのか?
朝から雨だ。築地にとって、雨はあんまり歓迎するものではない。場内なんか、ただでさえ水気が多くて、うっかりしていると小さな水溜りに足を滑らせてしまう。雨なんざ降った日は、ターレが水をはねるは、店の軒先から雨がたれてくるは。傘をさしていると狭い通路ですれ違うのが大変。とあまりいいことがない。
市場の人は、あんまり気にしないのかもしれないが、素人さんにはおススメできないな。
観光客が少ない分、実は散歩しやすいかもしれないが。何事も経験なので、一度雨の築地に行ってみるのも悪くない。
朝まだき、雨降りでもやがかかった築地に、ターレの音が響き渡る。築地が起きようとしている雨の朝、幻想的でなかなかいいもんだ。
第6回 築地4丁目交差点の名物「はいばら1号店」
とはいいつつ、雨の中をうろうろするのはイヤなので、アーケードがついたもんぜき通りへ。ウナギのいい香りが漂ってきた。動物は、雨が降ると嗅覚が鈍るそうだが、人間は逆だな。今朝は、ウナギを買って帰ることに決めた。
うなぎ弁当小890円、串焼き200円
「はいばら」の名物といえば、うなぎむすび。私はあまりウナギが好きではないが、おむすびのなかにウナギを入れるという発想がおもしろい。
店に行って、うなぎむすびを頼むが、もうメニューにないらしい。今日の築地ルール“いいものは、すぐなくなる”。今日食べとかないと、明日にはなくなる。今食べないと、5分後には売り切れる。目当てのものを見つけたら、すぐに食べなさい。あまり目移りしても、ロクなことがないんだ。
うなぎ弁当と、せっかくだから肝焼きを買ってソトコト編集部に戻る。
編集部には、築地うおがし銘茶のこがね粉がおいてある。いい話があったら、編集部にきなさい。うなぎ弁当は出せないが、お茶だけは飲ましてあげるよ。
お茶を淹れて、うなぎ弁当の蓋を開ける。店員の話によると、このウナギは三河・一色産。タレは甘すぎず、身もふわっとしていて上品な感じだ。朝からうなぎ?と思う向きもあるかもしれないが、意外に箸が進む。おいしいお茶が傍らにあればなおさら。
串に刺さった肝焼きは、冷めてしまっている。通いつめれば、焼き立てをくれるかもしれないが、顔に「あんまりウナギが好きじゃない」と書いてあったのか。
私の肝臓はどんな味がするのか知らないが、ウナギは他人様に肝まで食べてもらえれば、本望だろう。
食べ終わってから、小袋に入ったタレを発見。だから甘くなかったのだ。このタレだけで、白飯一杯食べる人もいるだろうが、50代には無理な話。
お茶だけおかわりすることにした。
はいばら1号店
住所:中央区築地4-8-2
電話:03-3541-9713
営業時間:6:00〜15:00
定休日:休市日(日曜祭日、第2・4水曜日など)