2006年08月22日
【第49回】「築地の朝めし」 茶房 四季
築地のニューカマー
近頃、築地で店じまいをするところが増えてきた。典型的な個人経営の店が多く、都心にあるという立地だから、2代目、3代目となると家を継ぐより就職したくなるんだろう。もちろん、家業を立派に継いでいる人もいる。
一方で、歯抜け状態になった跡を埋めるように、新しい店もできている。この間も、2軒新しい飲み屋ができていた。おかしなことに、2軒とも木の黒壁と白い塗壁。もともと、築地は銅板建築だから、唐突というか、奇妙な感じ。
とりあえず、1年持っている店では、築地の木造3階建てを改造した南欧料理屋、珍しく夜遅くまでやっているので、築地の若い奴らがたむろしているバーなんかがある。若い人たちも、築地を盛り上げようと頑張ってくれている。応援してあげたいね。
今日の朝めしは、最近できた喫茶店。中に入ってみて、その特異性に驚かされた。
第49回 築地で一番新しい喫茶店 「茶房 四季」
編集部の程近く、酒屋が閉店した後に、ちょっとした改装をして喫茶店ができた。店に一歩はいると、まるでどこかの待合室のような素っ気ないたたずまい。ここのマスターの話しが面白かった。
コーヒーはすべて200円。トーストも200円。
なんでも、河岸で働いているらしい。「だから、開店は10時、閉店は18時なんですよ。夜2時に起きないといけないから。前もって言ってくれれば、夜8時くらいまで開けときますよ」。
で、休みは日曜日。「水曜は河岸が休みだから、店やるのは楽ですよ。まあ、店にいる時間は休んでいるみたいなもんですから」。
この脱力感がいい。でも、築地タイムと一般オフィスアワーを両立するのは結構大変だと思うよ。6時間寝るとしても、夜8時に寝て2時に起きる。それ以外は働いている。すごいネ。
トーストとアイスコーヒーを注文。アイスコーヒーはスグに出てくる。ここでコーヒーを飲み始めると、トーストは水と一緒に食べなければいけないので、しばし待つ。丁寧にバターを塗ったトーストが出てきたので、アイスコーヒーを一口。なかなかおいしかった。でもそれ以外は見事なまでに、特徴がない店。マスターの人柄が妙に心地よいが。
店の前を行き交う人、必ずガラス越しに店内を覗き込んでいる。みんな、気になっているみたい。だったら入ればいいのにネ。
茶房 四季
住所:中央区築地7-6-6
電話:03-3531-6454
営業時間:10:00〜18:00
定休日:日曜祭日