2010年05月31日
環境省だけが環境をやる時代ではない
「ここ数年で、行政も企業も環境がメインストリームになっていて、建前だけではなくなっているなと思うのが実感」 |
今夜の選曲: BROTHER,BROTHER / ISLEY BROTHERS
「ここ数年で、行政も企業も環境がメインストリームになっていて、建前だけではなくなっているなと思うのが実感」 |
環境省事務次官の小林光さんです。
6月は「環境月間」です。
エコハウスの現状、COP10 、自然で学ぶ環境など、たっぷりと伺います。
今回のポッドキャスティングは、5月24日から28日放送分、
株式会社ユーズ 代表取締役、染谷ゆみさんです
株式会社ユーズ の社員は10人ほど。スタッフの平均年齢は30歳くらいで、スタッフが若いといいアイデアが生まれるんですと、染谷ゆみさん。
スタジオに持ってきてくださったのは、天ぷら油から作ったキャンドル。貝のように見える器は、なんと日本料理屋さんからもらってきたサザエの空殻なんですって!エコですね。貝殻には葉脈のようなものがあって、そこから漏れる光がまた何とも言えず美しいのだそう。
夏は、キャンドルナイトなどで、あちこちに出没します〜とおっしゃっていました。
今夜の選曲: MASTERPIECE / TEMPTAIONS
現在は株式会社ユーズ 代表取締役の染谷ゆみさん。高校を卒業した18歳で、大学受験もしないで海外へ旅に出たそうです。アジア放浪の旅。このとき、チベットからネパールに抜ける途中、ちょうど雨期で、あまりにも雨の量が多く目の前で山が崩れていく光景を見たんだとか。そして、現地の人が言っていたのが「これは天災ではなく、人災。人間が木を切り倒したからだ。」ーこの出来事が、環境問題に関心を持つキッカケになったんだそうです。
日本に戻ってきて、環境問題の仕事に従事しようと思ったそうですが、ちょうど20年前はバブル、消費の時代。なかなか大変だったようです。そして巡り巡って、家業を手伝うことになったんですって。
「TOKYO油田2017という名前の通り、2017年までに東京の油を一滴残らず回収して、油田王になって、今度はTIMEの表紙を飾りたい!」 |
今夜の選曲: COULD NINE / TEMPTAIONS
世界で初めて廃食油をディーゼル燃料化するVDFを開発した、株式会社ユーズ 代表取締役の染谷ゆみさん。ユーズでは単に油のリサイクルだけに終わらせないで、さまざまな活動もされています。
たとえば<油を10回送っていただくと、森を一坪あげますよ>というキャンペーン。一坪=1,670円。この値段分のTOKYO油田ecoマネーを差し上げるんだそうです。福島県にある森と交換してもいいですし、VDFに交換してもいいし、エコショップで油田せっけんなどのお買い物をしてもいいんだそうです。
今夜の選曲: I WISH IT WOULD RAIN / TEMPTATIONS
染谷ゆみさんの事業の躍進に繋がったのが、1993年に世界で初めて廃食油/使用済みの天ぷら油をディーゼル燃料化するVDF(ベジタブル・ディーゼル・フューエル)の開発でした。スタジオには、廃食油がキレイな油になる行程のサンプルを持ってきてくださいました。
使用済油→反応中→VDF/副産物のグリセリン
株式会社ユーズ 設立10年目の2007年に「TOKYO油田2017プロジェクト」を開始した染谷さん。TOKYO油田とは何とも夢のある名前ですね。20年前、油回収を女性が行っていることに対して「何でやってるの?」といわれていた時、「東京は油田なんだ!私は資源を掘り起こしているんだ!」と思ったんですって。
年間で、業務用廃食油:20万トン!家庭からも20万トン!!この家庭からの廃食油はほとんど捨てられているんですって。だからこそTOKYO油田。誰も手をつけていないTOKYO油田をビジネス化すれば、循環型社会のモデルになると思ったそう。 |
今夜の選曲: JUST MY IMAGINATION / TEMPTATIONS
廃食油の回収を始めたのは、昭和24年で染谷さんにとってはおじいさま。当時は環境ビジネスというよりもゴミ広いといった感じで、お父様の2代目で辞めようとおもっていたそう。ところが3代目を受け継いだゆみさん。 |
株式会社ユーズ 代表取締役の、染谷ゆみさんです。
廃食油の回収、油と森の交換、TOKYO油田2017プロジェクトのお話など、たっぷりと伺います。
■■染谷ゆみさん■■
1968年 東京都墨田区生まれ。
旅行会社勤務後、(有)染谷商店を経て、97年 に株式会社ユーズを設立。廃食油の回収から精製によるバイオディーゼル燃料の販売と普及活動をされています。
アメリカのTIME誌の2009年「環境社会活動家」として紹介されました。
今回のポッドキャスティングは、5月17日から21日放送分、
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんです。
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんをお迎えして最終日。
まずはアデレードでブームの食をお伺いしました。世界でもそうですが、有名シェフや有名レストランを追いかけるのはトレンドの一つ。そしてやはり、ヘルシーで健康にいいもの、食育もトレンドなんだそうです。
南オーストラリア・スローフード協会の今後の活動、まずひとつは<子供たちの食育>。学校に畑を作って、そこで採れたものを学校で調理したりするそうです。もうひとつは<伝統料理>。
ルース・ゲリンさんは、南オーストラリア・スローフード協会会長の前に、州知事内閣の内閣副長官だったことも!州のTOPで、州の開発はもちろん、外交の仕事も。オーストラリは日本の県と国の関係とは違うようで、州に力があるんですって。州が一番力を持っている。だから外交も独自で、州として外国と取引をするのだそう。
日本のいろいろな場所に行かれているゲリンさん。 長野・白馬、九州。そして金沢は食文化が面白いと。寒ブリがおいしかったんですって! |
今夜の選曲: I SAY A LITTLE PRAYER / ARETHA FRANKILN
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんは、地元のFMラジオ局:ラジオアデレードで「ガストロ・ノート」という番組のプロデューサーでありナビゲーターでもいらっしゃいます。
「ガストロノート」とは娘さんがつけたタイトルで、ガストロ:食、ノート:アストロノートの後半半分…つまり「食を求めて旅をする」という意味でつけられた名前なんですって。
水曜日の夜9時から、まるごと食の1時間の生放送。シェフのインタビュー(日本からはフレンチの坂井宏行シェフや、日本料理「分とく山」野崎洋光さんも!)、そして生産者の方にお話をお伺いしたり(オーガニックでリンゴを作っている方、昔の製法でチーズを作ってる方)、おいしいレストランの口コミ情報などのコーナーがあるそうです。
今夜の選曲: PEOPLE GET READY / ARETHA FRANKLIN
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんは、アデレードにお住まいです。
アデレードはオーストラリアの一番下の真ん中から、ちょっと東。海に面しています。アデレードから南にまっすぐおりると…次の大陸はなんと南極なんですって!気候は、地中海的気候。すずしい冬で、決して雪が降ったり寒くはならないんだそうです。逆に、夏は乾いて熱く、40度を超えることもあるとか!
食は、ワインの産地としては世界的に有名ですね。それからシーフード…エビ、ハマチ。肉では牛肉、羊肉、鶏肉。果物も豊富なんですって。
ゲリンさんが会長を務める南オーストラリア・スローフード協会は、1990年代の初めに設立。イタリア以外で作られた、最初のスローフード支部です。スローガンは「Good,Clean,Fair」。Good:おいしくて良質、Clean:環境に優しく汚さない、Fair:適正な価格…を鉄則にしているとのことです。
今夜の選曲:THINK / ARETHA FRANKLIN
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんです。
今回ゲリンさんは、スローフード築地(発起人:小黒さん)と交流をはかるために来日されました。なんと、日本に来るのは50回目くらいなんだとか!奥様は今回の通訳もしてくださった日本人女性:令子さん。だから日本にもお詳しい!
築地には5〜6回いらっしゃっているそうで、今回も築地散策を。築地自体にそんなに変化はなかったようですが、東京に大きなアパートやオフィスビルが増えているような気がする…とおっしゃっていました。小黒さんの実家:築地のマグロ屋さんにも行かれたとのことで、もちろん美味しく食べたそうですが、一番驚きでうれしかったのが、本マグロがゲリンさんの地元:南オーストラリア産だったこと!
南オーストラリアでは本マグロは養殖がメイン。マグロが小さなときに捕まえてきて養殖場の中で大きく育てていましたが、いまは養殖場で繁殖させることに成功したんだそうです。
今夜の選曲: YOU AND ME / ARETHA FRANKLIN
南オーストラリア・スローフード協会会長のブルース・ゲリンさんです。
その活動、スローフード3原則、アデレードの食のお話など、たっぷりお伺いします。
今回のポッドキャスティングは、5月10日から514日放送分、
有限会社BACH代表で、ブックディレクターの幅允孝さんです。
ブックディレクターの幅允孝さん、ご自宅にもたくさんの本があるそうです。頂く本もあるそうですが、身銭を切らないと本を読めないとのこと。ヒリヒリと伝わってこないそうです。本棚は人間の痕跡。本棚の前に立つと、当時考えていたことなどを思い出すとのこと。
本にまつわる様々なお仕事をなさっている幅さん。いまは、中学校で「学級文庫プロジェクト」を進行中です。国語の先生から20年ぶりくらいに電話がかかってきて、生徒がぜんぜん本を読まないからどうにかならないかと相談されたとのこと。図書館を作り直すのにはお金がかかる、そこで学級文庫!
また、書店でのサイン会ならぬ、作家本人を呼んで本について話す「読書会」も開こうと考えているそうです。
今夜の選曲: VACUUM CLEANER / ISLEY BROTHERS
ブックディレクターの幅允孝さんも、デジタルブックのi Padやキンドルを使ってみたんですって!i Padは、めくるとページの裏が透けて見えるからビックリしたそう。
デジタルブック…くるな!とは思っているし、本が商品である以上コストはかかるので、かなりの方向で電子化が進むと思うと、幅さん。でも、どちらかがゼロになることは怖いし、選択肢があるシチュエーションは作らないといけないとも。
紙をパラパラめくるという所作を日常の中から損なわれるのが一番の問題。幅さんとしては、めくる機会を増やしていきたい…とのこと。ちなみに、幅さんの2歳のお子さんは、クリックは覚えていないけど、本は勝手にパラパラめくっているそうですよ。人間の本能でしょうか?
今夜の選曲: I TURNED YOU ON / ISLEY BROTHERS
エコを考えると難しいからこそ、視点の提案が出来ればイイなと、丘のある部屋にしようと思ったそう。ちょっと高い目線に行くと、世の中が俯瞰出来ますからね。 |
テーマは「Become a Green Shopper! 幸せにつながるグリーンな選択を!」。
東海大学チャレンジセンターのソーラーカー「Tokai Challenger号」の展示や、
5月13日にはQちゃんこと、高橋尚子さんも来苑されます。隣人祭りもやりますよ!
もちろん、ロハスデザインの大賞最終候補120点が展示されます。
みなさんも「ロハスデザイン大賞2010 新宿御苑展」に遊びにきてくださいね!
会期:5月13日(木)から16日(日)
会場:新宿御苑
時間:9:00~16:30(入場は16:00まで)
※入園料金新宿御苑入園料として、大人200円/小・中学生50円/未就学児童無料
ブックディレクターの幅允孝さんの出身は愛知県津島市。子供の頃から、本がかたわらにあった…とのこと。それもそのはず、お母様の教育がユニークで、おこずかいが本だけは別で、近くの本屋さんでは「幅です!」といえばツケで好きなだけ買って良かったんですって。駅前の20坪ほどの小さな本屋さん。入り浸りだったとか。ある日、店主が「図書目録」を見せてくれて、世界はこんなに本があるんだよ〜と教えてくれたんですって。これに感動した幅さん。この少年時代の出来事が、本の世界への入り口だったようです。
時間さえあればあちこちの本屋さんに行かれる幅さん。 好きな本屋さんは<千駄木 往来堂書店><京都 三月書房>。 「地場が見える本屋」が好きなんだそうです。 |
今夜の選曲: GET DOWN OFF OF THE TRAIN / ISLEY BROTHERS
ブックディレクターの幅允孝さんは、J-WAVE午後2時からの番組「ランデブー」の月曜日と水曜日に出演されているので、ご存じの方も多いかと思います。
幅さんはブックディレクターとして、書店だけではなく様々な場所で本のライブラリーづくりや、並べる本を選ぶという仕事をされています。もともと本屋さんで働いていたそうですが、本屋さんにお客さんが来てくれなくなったので、それなら人がいるところに本を持っていこう!と、5年前に始めたそうです。 |
そんな幅さんが選書されたのは、例えば…
六本木ヒルズにある「TSUTAYA TOKYO 六本木」
国立新美術館の「スーベニア フロム トーキョー」
羽田空港第2ターミナル「Tokyo’s Tokyo」。
本を選んで、並べ方も考えて、並び替え(メンテナンス)もされていらっしゃいます。
今夜の選曲: I GOT TO GET MYSELF TOGETHER / ISLEY BROTHERS
有限会社BACH代表で、ブックディレクターの幅允孝さんです。
■■幅 允孝(はば よしたか)さん■■
愛知県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。カナダ留学、世界旅行を経て青山ブックセンターに入社。六本木店にて、建築・デザイン関連書籍のバイイングを担当。その後、編集者石川次郎氏と出会い(株)ジェイ・アイに入社。編集を学びつつ六本木ヒルズのコンセプトブックストア『TSUTAYA TOKYO ROPPONGI』のコンセプトづくりやブックセレクトを手掛け話題となりました。その後独立し、旅の専門書店『BOOK246』のプロデュースを始め、アパレルショップ『LOVELESS』やインテリアショップ『CIBONE』、国立新美術館のミュージアムショップ『スーベニアフロムトーキョー』、ミッドタウンのスルガ銀行内「d-labo」など、様々なショップのコンセプトを踏まえたブックコーナーのディレクションを行っていらっしゃいます。また、分筆家としても活躍。本に関する連載を多数お持ちです。
今回のポッドキャスティングは、5月3日から5月7日放送分、
NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長の中島早苗さんです。
NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン事務局長の中島早苗さんをお迎えしての最終日。
小黒編集長が何度も訪れているケニアのマサイ。マサイの子供たちは小さな頃から家畜の面倒をみたりしていて、学校にいけない子供たちもいますが、楽しそうに生活しているそうです。中島さんもマサイを訪れたことがあるそうで、子供たちの現状についてマサイの長に聞いたところ「選択肢が無いのが問題」という答えだったんですって。マサイ族として誇りを持って生きているけど、中には都市に行って勉強したい子供もいる…。難しい問題ですね。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、去年10周年でインドに学校を建てようという目標を立てました。そして250万円の寄付が集められたので、今年は実際に学校を建て始めるそうです。
中島早苗さんが事務局長をされている、NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、これまでフィリプン、インド、モンゴルで海外支援を行っています。
フィリピンでは、性的虐待を受けた子供たちを保護して教育を受けられるようにしたり、加害者を法的に訴えたり、路上で働く子供たちに勉強を受けられるようにしたり。 |
モンゴルではゲル図書館を開設!事前に視察したときに、子供たちに支援を受けるとしたら何がいいか質問をしたら「本を読みたい」と言われたからなんですって。小さな図書館だそうですが、1ヶ月に800人もの子供たちが利用しているんだそうです。 |
今夜の選曲: FLIGHT 1203 / THE BEVERLEY SISTERS
また、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの目的は2つ。<貧困から子供を解放する><子供は社会を変えることが出来ないという考えから、子供を解放する>。実際、この春休みにフィリピンにスタディツアーを行い、その報告を国会議員に伝える機会があったんですって。 |
日本に戻ってきた中島早苗さんがNPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンを設立しようと思ったキッカケは、フリー・ザ・チルドレンを設立した少年クレイグと中島さんの妹さんが同じ年だったから。
当時、妹さんは生徒会に属したりと積極的な女の子。誘ったら手伝いたいと返事をしたそうなんですが…高校受験を終え、そろそろ設立への動きをと誘ったら、あっさり忘れられていたそう!高校生活をエンジョイしていたようなんですね。サポーターは揃っていて集まっている状態。なかなか活動の主になる子供が見つからず、大変だったそうです。
今夜の選曲:LITTLE BOY OF MINE / THE DELICATES
今週のゲスト、中島早苗さんは1999年にNPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンを設立されていますが、もともとはカナダの12歳の少年によって設立された団体です。
1995年、カナダのクレイグ・キールバーガー少年が、ある朝、新聞の記事を読んでいてパキスタン人の12歳の少年が射殺された事件を知りました。「両親から引き離されて工場に売られてしまった少年。工場で重労働を強いられていましたが、NGOの助けで工場からの脱出に成功し、児童労働反対をうったえる活動家として活動していたところ、母国に戻った少年は何者かに射殺されてしまった。」
この事件に衝撃を受けたクレイグは、子供の問題なのに、子供たちが知らないのはよくないとフリー・ザ・チルドレンを設立したそうです。
中島さんは学生時代、アメリカの環境保護NGOでインターンをしていたときに、雑誌の記事でクレイグのことを知り衝撃を受け、応援のメールを送ったそうで、これが中島さんがフリー・ザ・チルドレンに関わるきっかけになったそうです。 |
今夜の選曲: ENGLISH COUNTRY GARDEN / JIMMIE RODGERS