2015年06月09日
研究で最も大事な事は、諦めない事。
生物学者の福岡伸一さんは、25年ほど前に
「GP2遺伝子」を発見されました。
当時は、研究者にとって遺伝子を探すのが
至上命令だったとか。その後、「ヒトゲノム計画」が出来、
遺伝子の全データが網羅され、
遺伝子を探していた研究者たちがしていた研究は、
ほんの1ページになってしまったのだとか。
福岡先生がGP2遺伝子を発見した時、
「何か重大な役割を果たしているに違いない」と考え、
GP2遺伝子を働かなくした、遺伝子欠陥マウスを
膨大な費用と年月をかけ作ったそう。
しかしそのマウスには、何の異常が起こらず、
GP2遺伝子は何をしているのかは不明、という結果に。
その結果が、「動的平衡」= "生物は何か欠陥が現れても、
バランスを取るための補完をする事ができる"という
という生命の大事なポイントに気付くきっかけにもなったそう。
そして最近になって、GP2遺伝子が何をしているのかが
徐々に解明されてきました。消化管におけるGP2は、
どんな腸内細菌が居るかを確認し、
消化管の情報を体内に伝達するという、
"警察官"のような役割をしているのだそう。
これは、学術雑誌「Nature」にも取り上げられました。
福岡先生は、研究で大事なのは、諦めない事だと話します。
「どんなつまらない現象でも、ずっと同じ事を続ける。
するとそこに何か発見が出てくるんです」と。
今夜の選曲 : THE LADY IS A TRAMP / DELLA REESE