2015年06月15日
映画化された小説「あん」を書くきっかけとは?
歌う道化師としても活動されている
作家のドリアン助川さんさん。
ステージに立つ上で、恥ずかしさを隠すために、
道化師の格好をするようになったのだとか。
2013年にポプラ社から発売された
ドリアン助川さんの小説「あん」が、
河瀨直美監督により映画化されて、現在公開中です。
▼映画『あん』オフィシャルサイト
日本では、1996年に「らい予防法」が廃止され、
ハンセン病にかかった経歴をもつ人々が、
絶対隔離から解放されました。
そんな中、ある深夜の生放送で、
「社会の役にたっていないと、生きている意味が無い」
という事を、考える機会が。
「障がいを持ち生きる人、隔離されていた人たちは、
生きている意味はないということですか?」という質問も。
生放送でその質問に意見する勇気がなく、
だったら、作家である自分は、自分なりの答えを
ハンセン病の元患者さんを主人公にした小説で書こう、
と決意したのだとか。そこからおよそ20年。
やっと形になったのが、小説「あん」。
小説を書くにあたり、ハンセン病を取材をしていくうちに、
手記や歌集を読み、そのあまりの壮絶さに、
自分なんかが書いちゃいけない、と思っていたそう。
そんな時に、歌う道化師としてのステージに
ハンセン病の元患者さん3名が、お客さんとして
ステージに来て下さったのだとか。
そこで、自分の思いを伝えると、
「療養所へ是非お越し下さい」と言って下さったそう。
偏見を持たずにきちんと話せるのだろうか、という
不安を抱きながら、ドリアン助川さんは、1人で療養所へ。
そして、これがきっかけとなり、関係を築き上げ
ようやく書く事が出来るようになったそうです。
今夜の選曲 : 水彩の月 / 秦基博