2015年06月17日
ハンセン病への偏見と現状。
作家のドリアン助川さんを
スタジオにお迎えしています。
現在は医療の進歩により、ハンセン病は、
3種の薬の使用により、すぐに完治する病気です。
元々致死病ではないものの、長く患うと身体の変形が生じ、
昔から偏見、差別の対象となっていました。
戦後すぐに欧米では、特効薬が出来、通院治療の病気でした。
しかし、日本だけはハンセン病は、奇異な人権意識の元、
患者、元患者は絶対隔離という扱いになっていました。
「あん」の中で印象的な台詞で、
「私たちにはお墓がない」というものがあります。
昔の日本では、一族の中からハンセン病患者が出ると
その一族全員に可能性があると認識されてしまうため、
完治していても、その人の存在は消されてしまいます。
今、東京の全生園では、完治した人でも
4000体以上の遺骨が故郷に戻れず、納骨堂に眠ったまま。
元々「あん」は、大手出版社から出す予定で
3年間かけ書かれた作品でした。
ですが、完成した直後に大手出版社の上層部から
ストップがかかり、出版は中止。ドリアン助川さんご自身も
その出版社から切られてしまいました。
「元患者さんの思いを裏切ってしまった」と感じ、
落ち込んでいたところ、心ある編集者と知り合ったのだとか。
数日後、その編集者が涙ながらに
「これを出させて頂けるんですか!」と電話があり、
無事に出版されたそうです。
今夜の選曲 : HIGH HOPES / THE MILK CARTON KIDS