2016年10月19日
宮城県石巻市での授業。小さなカフェが教えてくれた新たな考えとは?
「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」の著者、
山崎繭加さんは、今年8月まで
ハーバード・ビジネス・スクール
日本リサーチ・センターに勤めていらっしゃいました。
日本・東北で学ぶ『ジャパンIXP』という授業は、
東京と東北を行き来する、2週間のプログラムになっています。
「最初の3年、東北ではボランティア活動と、
地元企業の取材をしてケースを作りました。
最近の2年では、地元の企業に対して
経営のアドバイスをしています。」
震災後に地域のために立ち上げた、
起業家にもアドバイスを行っています。
2016年に生徒の受け入れを行った企業に、
宮城県石巻市にある、カフェ”はまぐり堂”があります。
津波で甚大な被害を受けた、蛤浜を活性化するために
水産高校教諭の亀山貴一さんが立ち上げたカフェです。
ハーバードの学生は、4人。彼らは、
”いかに多くの人を集めるのか”という考えを持っていました。
ですが、創業者の亀山さんは、多くの人を集めるのが目的ではなく、
“地域のために、地域のバランスの中でやりたい”、
という強い思いをお持ちでした。
「最初は、学生たちは分からないんですよ。
でも亀山さんは、カフェは社会の1部であって、
社会全体が幸せにならないと存在意義はない、と。
最後には、学生もなるほど!と。
やっぱり本来、授業というのも社会の一部であって
社会に貢献するものであるのに、つい授業単独で考えて、
どう儲けて大きくするか考えていて。
非常に大きな、本質的な気づきを、小さなカフェで頂いたんです。」
今夜の選曲:TRAGEDY / NORAH JONES