2017年03月24日
発酵で世界が繋がる?! まだまだ知られていない、発酵食品たち。
アートディレクターで、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんは、
著書『発酵文化人類学』が来月中旬に発売されます。
この本は、発酵好きが読めば、人間の歴史や美術の面白さに
気づいてもらえる、と小倉さん。
「芸術もすごく人間にしかできないものだとも思うんですけど、
この本のポイントは、人間と自然との関わりを
発酵という観点からもう一度見直してみる、という事かな、と思います」
著書の中には、長野県木曽町の塩を使わない”すんき漬け”や、
高知の山間部、大豊町で作られる”碁石茶”など、
発酵食品の多様性も紹介されています。
「日本にはほとんど発酵茶がほとんど無いんですが、
碁石茶は、例外で、人知れず何百年もつくられていたんです。
茶葉に、最初カビを付けて、カビによって分解して腐葉土みたいにして
そこに、乳酸菌を付けて酸味を付けて、コクを出すお茶です。」
”碁石茶”は調味料として活用され、地元ではお茶漬けにして食べるそう。
”すんき漬け”も、”碁石茶”も、
産地は離れているものの、同じ乳酸菌を使い、
全く違う発酵技術であるのに、風味が似ています。
「”碁石茶”を辿ると、東南アジアのお茶のシルクロードに行き着いたり、
すんきを辿ると、今度はネパールのお漬物に辿りついたり。
発酵文化にって面白いのが、ローカルをずっと掘っていくと、
地球の反対側のローカルと繋がっちゃったりするんですね。
そのミッシングリンクを科学的に見つけていくのが、1つのロマンですね」
著書『発酵文化人類学』の発売記念イベントは、
4月21日(金) に行われます。
今夜の選曲:AM I EXPECTING TOO MUCH / ALLEN TOUSSAINT