2017年08月30日
縮小の美「盆栽」 その空間を楽しむ、盆栽の見方とは?
遠山記念館・学芸員の依田徹さんをお迎えしています。
盆栽というのはそもそもどのようにして楽しむのか?
依田さん「やはり縮小という部分は極めて大きいところです。
美術の話になりますが、日本人はミニチュアが好きなんですね。
最たるものは「絵巻物」になります。小さな画面の中に空間を
広げてですね、じっとそれを見て空間の転換を眺めていくわけです。
盆栽も極めてそれに似ていてですね、鉢の中に小さな空間を再現していく、
凝縮していく。そこの楽しみというのがあるんですね。
盆栽の最初の楽しみっていうのは、盆栽を見下ろすなと言われるんです。
鉢の根元に視線を合わせてみろと。そうしないと大木が凝縮している
姿がわかならいということなんですね。
要するに鉢の中に大きなを木を縮小していくのが盆栽なんですね。
ですから、根元から幹を細く作っていくことによって遠近感を
作って大木の姿を凝縮していくこれがすごくポイントになります。」
依田さんが務める、
遠山記念館「埼玉県川島町」。ここにも盆栽が?
依田さん「昔、遠山家は盆栽をやっていたんですけど、
現在は、コレクションとしてはありません。
遠山家というのはですね、日興證券の遠山元一が
母親のために立て家が埼玉県の川島町にあるんですね。
ここはもともと遠山家の家だったんですけど、
一回没落してしまいます。そのあと証券業で成功した
元一が母親のために土地を買い戻します。
昭和11年、竣工した巨大な和風建築があります。
手前味噌ではありますが、関東屈指の
和風建築と言っても全く差し支えありません。
昭和45年に建物を公開することになりまして、
美術館を併設することになりました。ここに
遠山元一のコレクションを展示することになりまして、
以降も美術館として運営して、展覧会等も開いています。
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依田徹 著書「盆栽の誕生」(大修館書店)
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今夜の選曲:DINDI / SYLVIA TELLES