2017年12月14日
新著「動的平衡3」についてと、自身の研究について
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
「動的平衡」の理論のもと「生命とは何か」
という問いを追究し続けていらっしゃいますが、
福岡さんの研究分野は今年いかがだったのでしょうか?
福岡さん「私の生命論の定義は動的平衡ということで、
それを理論的に考える理論生物学者みたいな感じのを
目指しています。昔はネズミを殺したり細胞をすり潰したり
する実験をしていたんですけど、物理みたいに理論物理学者が
重力波を予言して、100年後に物理学者がそれを
立証するっていうのが、本当の学問のあり方だと思っているので
私は理論生物学者を目指して理論を今まで出してきたんですね。
動的平衡っていうは私のコンセプトの中心なので、
どこか地球の38億年の生命史の最初に偶然ながら動的平衡が
成り立ったんです。動的平衡っていうのは壊しながら
回していくサイクルが成り立っているということなので
そういうことが海底火山の中で物質を壊しながら、
作り変えられるっていうのが生命の起源なんです。
先日新著「動的平衡3」が刊行されました。
福岡さん「動的平衡っていうのは生命論だけじゃなくて
会社組織とか、社会とかスポーツとか組織論に
色々使えて、その辺の本屋さんに売っているような
ハウツー本ではなくて、もっと生命に学んだ組織論として
動的平衡を考えようっているのが「動的平衡3」になっています。
それから、私のライフワークともなっていますが、
フェルメールの研究がありまして、実は2017年は
日本であまり話題になりませんでしたけど、
世界的には一大フェルメールフィーバーが巻き起こって
いたんですね。それはパリのルーブル美術館を皮切りに
大フェルメール展が世界を巡回して年末にはアメリカの
ワシントンで開催されたんですね。37枚しかない12枚が
結集しました。多少内容が変わるとも聞きましたが、
日本もやってくる予定でして2018年秋に来るみたいです。」