2017年12月11日
今年1年の活動は?
今週は、生物学者の福岡伸一さんをお迎えしています。
今年1年の振り返って如何でしたか?
福岡さん「いろんな人との対話によって
思索というか思考が深まった感じがします。
春先には、音楽家の坂本隆一さんと集中的に会話を
しました。彼はテクノポップやデジタルな音楽から
出発しているんですが、長い年月をかけて
見えてきたのは、ノイズとか再現できない音みたいな
ものがいいんじゃないか思ってきたそうです。
それは私がちょうど生物学を目指し続けていて
分子生物学のようなデジタルな生物学から、
動的平衡っていうコンセプトに変わっていった
プロセスと非常に似ていてですね、
そういうことを語り合いました。
あとは夏ぐらいには、西田幾多郎っていう京都大学の
哲学の先生がいらっしゃるんですけど、
その弟子の池田善昭先生という方と対談しまして、
だいぶ前に私が言ってた、「動的平衡、すべては流れていく」って
いうのは、西田幾多郎が言っていた哲学と似ていると
おしゃって頂いてですね、それで対話を重ねてですね、
西田哲学の根底に流れている伏流水は非常に難しい
言葉なんですけど、この世の中には相反することが
同時に存在していて何もないように見えてもある。
あるいは、矛盾しているようだけど互いに招会いながら
作用しているっているが西田哲学のCoreであって
私のやっている動的平衡と同じで結局生命とは何か?
っていうのを、哲学者 西田幾多郎と生物学者 福岡伸一が
同じようなところを目指していたっているのがわかったんですね。
今夜の選曲:TUTTI FRUTTI / 細野晴臣