2020年04月21日

日本文化の発信拠点、ジャパンハウスとは…?

有限会社BACH代表で、
ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしています。

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海外でのプロジェクト……ジャパンハウスとは?
幅「(ジャパンハウスは)日本文化を海外に伝える目的で出来たものです。
サンパウロ、ロンドン、ロサンゼルスの3カ所にあります。
日本デザインセンターの原研哉さんが
全体の監修をやっているんですが、
僕たちはその三つにライブラリーを作らせてもらってる感じです。

置いている本は、基本ビジュアルブックで、写真集や
グラフィックデザインの本、建築の本は日本のものが多いです。
あとは、同じ本で英語版と日本語版を置いてあって、
漫画作品などは読み比べてみたり。
ブラジルとかでは、日系の移民の方が多いので、
久々に日本語に触れるという人もいらっしゃいます。
そういうこともあって、基本は英語の本なんですが、
ちょいちょい日本語の本も入っています。」

小黒「三箇所のジャパンハウスで、選書の狙いとかあったんですか?」
幅「基本的には全く別です。
日本文化を伝えるという骨子は一緒なんですが、
かなり細やかに分けてはいます。
例えば、サンパウロは16mくらいある棚のスタート地点に、
日本酒を売ってるスペースがあったので、
そこから日本の食の起源…神饌という神様に捧げる料理、
そこから平安時代の京料理だったり、茶懐石、ティーセレモニーの本…
また、そこから器のクラフトやデザインに関するものだったりと、
横スクロールで一冊手に取ると、どんどん流れていけるように気にしました。

あとは、場所によって人の傾向が違ったりする。
僕らが好きな本を持っていくだけだと
お節介になるのでインタビューするんです。

サンパウロではインタビューできなかったのですが、
日本にいるブラジルの方に色んな本を見せながら聞いたりしました。
日本人作家が撮ったブラジルの風景なので、
喜んでもらえると思って篠山紀信さんがリオのカーニバルを撮った
写真集『オレレ・オララ』という本を持って行ったら、
『リオなんかと一緒にしてもらっちゃ困る。向こうはお祭りとエンタメの街で、
サンパウロはビジネスと文化の街なんだから』
という感じで意外とウケが悪かったり……。
そうやって、1人の読者を見つけることがすごく大事だと
思っているので話を聞きながら本を選んでます。」

今夜の選曲… PRINCE OF PEACE / PRINCE BUSTER ALL STARS

staff| 20:00 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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