2020年12月28日
コロナ禍の2020年、今年の一冊、そして来年の注目など、たっぷりと伺います。
生物学者の福岡伸一さんをゲストにお迎えしています。
※リモートでのご出演です。
ーーコロナウイルスにおける世界への影響について、
福岡先生の私見を伺いました。
福岡さん「ウイルスという自然物は昔から、
絶え間なく地球上に出たり消えたりしていますが、
それを検出する…ロゴスというか、それを
ビジュアライズする技術が増しすぎて、
そのことで、世界が驚いてしまったということが
一つあると思います。
そして、ウイルスというのは利己的遺伝子みたいに
見えますけれども、実は利他的な存在で、
常に種から種へ、遺伝情報を移しながら
生物の生命系全体を調整してくれる。
ある種の動的平衡を揺り戻してくれる
存在だと思います。」
小黒「見えないものが可視化した…
というのはPCR検査のようなことも含めて?」
福岡さん「まさにそうです。
昔のスペイン風邪の時には、症状が出る
ということで初めて分かったわけですが、
今はそれよりもずっと前に、PCR検査で
遺伝子があればウイルスがいるということに
なっていますから、感染しようがしまいが、
そこにいるというだけで、存在が
あることになってしまった。
そっちの情報が肥大していることが、
大きな混乱の原因になっていると思います。」