2020年12月22日

建築家・村野藤吾と建築に対する思いとは?

一級建築士で作家の稲葉なおとさんをお迎えしています。

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小黒「日本の建築士の中で、ホテルの名建築というと、
まずは誰の事を話題にするんですか?」
稲葉さん「僕は、学生時代から大好きな建築家が、
村野藤吾さんなんです。
新築、改修、豪華客船の内装まで…
40数回手掛けていらっしゃいます。
村野さんは、お客さんの目線ももちろん知ってる。
でも、事業主たる人たちが何を求めているのかも
知り尽くしている。
でも、さらにそこで、自分なりの設計も盛り込む…
そのバランスたるや素晴らしいと思います。
もう一つ、本で描きたかったのは、
施工会社の人達の右往左往ぶりなんです。
村野さんのため、事業主の為だったら!と、
自分たちはこのホテルを作り上げようとする
熱い思いがあって…。
1人挙げるとなると村野さんになりますね。」

稲葉さん「村野さんは自分の建築全盤に対して、
オーナーが変わったり、建てた後の1年後くらいに
再訪した際に『これはちょっとひどいな…』という思いを
されてきたと思うんです。
ご自分でも書いてらっしゃいますが、
『玄関マットが少しでも斜めになっていたら、
それも自分で直すんです』と。
やっぱり建築愛というものは、そういうものであって、
使う人たち、ひいては経営する人たちなんですけど、
その後は、お客さん達にその気持ちが伝われば、
建築も違う意味で生き延びていくのでは
ないかと思います。」

小黒「この『夢のホテルのつくりかた』は、
本当に写真がいいよね?
撮影は、助手くんとかいないの?」
稲葉さん「1人ですね。ずっとこだわっているのは、
編集の人も申し訳ないんですけど、来ないでください、
って言ってます。
空気が硬くなっちゃうので…。
むしろ現場で助けてくれるのは、
ホテルの人とか、旅館の人が、本当に力に
なってくれる。
そういう意味では、旅している気分を
少しでも味わおうと思ったら、
一人旅に限るな、と思っていて。
仕事は空港でレンタカーを借りて
ヨーロッパであろうと、ハワイであろうと、
アメリカ本土であろうと、

全部一人でやっています。」

staff| 20:00 | トラックバック(0) | カテゴリー:ゲストトーク

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